2022.05.14

自宅を売って2300万円で「地方移住」した夫婦、わずか3年で「家を失った」ワケ

悠々自適のはずだったのに…
長野 郁子 プロフィール

老後といっても人それぞれだが、65歳から介護が必要となるまでの20~30年を「自立期の老後」と言う。この老後のために納得できる住まいに住み替えること自体は良いことだ。でも失敗したくない、誰かに強く勧めてほしいという不安の表れがこのブームとなっているのだと思う。

 

小さな家に住み替えよ

私はファイナンシャルプランナー(以下FP)になって12年になるが、FPを始めたのが52歳と遅かったので、お仲間だと思われるのか「老後の相談」が多く、もちろん住み替えの相談も良くある。それぞれ事情を良く聞いて、ケースバイケースで対応する。

しかし、基本となる私のスタンスはかなりハッキリしていて、2015年に出した「老後のすまい ─老後の自立は小さな家から」(電子書籍 キンドル版 300円)で書いたとおり、老後の住まいとして便利な場所の小さな家(マンション・戸建て)への住み替えをお勧めしている。

FP相談における「老後の住み替え」というと、そろそろ「老後」を意識する50~60歳ぐらいの方たちからの相談がメインだ。独身の方や子供のいないご夫婦、子供のいる方もこの年齢になると子育てが終わり、ほとんどの方が単身か2人、そしてまだ年金生活ではないから働いている。持病はあってもまだまだ気力・体力・財力が充実している世代だ。住み替えの希望を聞くと、大別して2つに分かれる。ひとつは「自己実現型」、もうひとつは「現実型」である。

自分も親の介護(8年間の遠距離介護)と死別を経験する前は、老後のイメージはかなり漠としたものだったので無理もないが、「自己実現型」の希望を聞くとかなり楽しげである。「釣りが好きなので海の近くに住みたい」「山小屋みたいな家に一度住みたい」「子供や孫、友達が気楽に泊まれる広い家がいい」「老後はのんびり農作業したい」「海外移住したい」など。

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