2022.05.14
# ライフ

日本人の「魚離れ」のウラで起こっていた、「魚の食べ方」の大きな変化

通底する食文化を見通す

「魚離れ」が止まった…?

5月頃はイワシにアジ、サワラ、シラス、イサキと旬を迎える魚介類がたくさんある。関東なら初鰹が、関西なら鯛が喜ばれる季節である。魚介類と言えば、コロナ禍に突入した2020年、総務省の家計調査で1世帯当たりの鮮魚購入量が、なんと18年ぶりに上昇していた。まず思いつく原因は、おうちごはんを作って食べる機会が増えたことにより、魚を購入しやすくなったことだ。

魚介類の消費は長年、減少傾向が続いてきた。その要因については以前、「日本人の「魚離れ」が想像以上に進んでいる「これだけの理由」」でも書いた。

要因の一つは、共働き夫婦などの働く女性が増えたことにより、鮮度が要求される魚介類を平日に買いづらくなったことだ。しかし、在宅勤務になれば、平日でも魚介類を買いやすくなる。外食で魚を食べる機会も減り、家で食べよう、となった人たちもいただろう。

だが、それだけが要因だろうか。そして、鮮魚需要の増加を、日本人の魚離れが止まった、と喜べる状況なのだろうか。改めて考えてみよう。

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購入量が増えた背景

魚需要の増加を報じた2021年7月2日の朝日新聞記事によれば、鮮魚全体で1人あたりの購入量は前年比4.8%の増加。特に増加率が高いのは、タイが37.1%、ホタテ貝が27.2%、タコが20.7%、ブリ13.9%、サケ13.4%、エビ10.2%、マグロ5.8%である。

同記事によると、通販サイトの「豊洲市場ドットコム」では、飲食店の仕入れが激減して価格が1~2割安くなったうえ、政府がコロナ支援策で送料無料のキャンペーンを打ったことで、2021年3月期の売上高が前年の3倍にも増加した。特に売れたのが、ウニやクロマグロなどの高級水産物。

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