2022.05.13
# ロシア

かき消される批判の声、ロシア「戦勝記念日」の高揚とその暗い展望

モスクワ5月9日現地レポート・後編

ウクライナ侵攻の開始から2ヵ月以上がたちながらロシア軍の行動は停滞、もしくは劣勢と言えるレベルだ。そんな中、迎えた第2次世界大戦の対独戦勝記念日で、プーチン政権は彼らの言うところの「特別軍事行動」の正当化、もっと言えば自己弁護に終始したことは前編「プーチン『戦勝記念日』演説読解ーロシアは世界とどこまでもすれ違うで詳しく解説した。ではロシア国内に反発の可能性はあるのか。後編で追いかけてみたい。

5月9日、モスクワ赤の広場、戦勝記念軍事パレード by Gettyimages(いずれも)

まだまだ続くロシア国内の盛り上がり

欧米の制裁の影響で、ロシア国民にとって、相変わらず馴れ親しんできた外資系店舗・レストラン・カフェのシャッターは閉められており、ありつけるのが難しくなっている輸入品が少し目立ち始めた。こうした「非日常」は続いているが、それでも最新のプーチンの支持率は80%を超えている。

モスクワで街の人と話すと、「インフレなんて慣れっこだ」「我々は(ソ連崩壊した後の)90年代を生き延びた」「ロシアは、これからも強い国であり続ける」といった元気な返答が返ってくる。

それどころか、「経済制裁なんて無意味だ」「ロシアは平和を愛する国で、世界の未来のために戦っている」「欧米諸国はもうすぐ『真実』から目を背けられなくなる」ということを真顔で言ってくる人が一定数いる。

 

そして中には聞いてもいないのに、「ロシアは歴史上一度も他国を侵略したことがない」「日本は我々の敵であったことを忘れたのか」とわざわざ突っかかってくる人もいる。

もしかしたら、この国に住む人たちの大半には、なぜロシアに対して経済制裁が課されているのかがまだ理解されていないのかもしれない。

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