一つのデジタル作品が「75億円」で落札…爆発的に盛り上がる「NFT」の可能性

『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』『2025年を制覇する破壊的企業』などのベストセラー著者としても知られる山本康正さんと、スタンフォード大学卒、グーグル・スーパーセル・スマートニュースなどテック企業を渡り歩き、暗号資産の世界に精通しているジェリー・チーさんが「激変するお金と新しい世界」について語り尽くした注目の書籍『お金の未来』。

ビットコイン、ブロックチェーン、NFT、Web3、メタバース……よく耳にするけれどいまさら聞けないこれらの存在は、世界をどのように変えるのか? ここでは話題沸騰の「NFT」について語り合う。

 

一つのデジタル作品が75億円?

山本 ビットコインやブロックチェーンにピンと来ていない人でもNFTに魅力を感じている人が多くいるように思います。NFTとは日本語で「非代替性トークン」と訳されます。偽造不可能な証明書付のデジタルデータ、つまりそれが取引履歴を通じて識別できるデータのことです。

ジェリー NFTに関する大きな出来事といえば、2021年3月に大手オークションハウスChristie’s(クリスティーズ)において、Beeple(ビープル)というアーティストのNFT作品が約6900万ドル(約75億円)で落札されたということがありました。

山本 5000点の作品を一つの画像にまとめたものですが、クリスティーズがそうしたデジタルアセットの入札を認め、それに75億円の値がついたというのは、大きなインパクトがありましたね。入札者がNFTファンドの創業者なので、マッチポンプと言われる可能性もあるのですが、一番の起爆剤になったことは確かです。衝撃的な出来事で多くのメディアが取り上げたので、知っている人もいるかもしれません。

ジェリー ビープルのニュース以前は、ブロックチェーンに興味がない人はほとんどNFTのことを聞いたことがなかったと思います。この75億円という金額は、存命のアーティストのオークション落札金額としては歴代3番目に高額だったということも衝撃の要因だと思います。

ちょうど同じ時期には、ツイッター共同創業者として知られるジャック・ドーシーの最初のツイート(“just setting up my twttr”)が約291万ドル(約3億円)で落札されたことも大きな話題になりました。

一つのツイートなので、誰もが閲覧できますし、リツイートや「いいね」もできるわけですが、その所有権にこれほどの価値がつくわけです。そして、その1ヵ月後、Bored Ape Yacht Club(BAYC)という1万枚の猿の絵のNFT作品が発売されましたが、いまでは多くの有名人(マドンナ、ジャスティン・ビーバー、パリス・ヒルトン、ネイマール等)が所有しており、非常に特別なコミュニティになっています。いまは一番安いBAYCのNFTでも4000万円ぐらいなので、コレクション全体の時価総額は4000億円を超えているわけです。

こうした話題が広がった結果、NFTに芸能人やスポーツ選手、ミュージシャンなども参入し、大きな盛り上がりを見せています。

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