神クリエイターに会いたい一心でオーディションを

自分の感情が動いた瞬間のことを、生き生きと、楽しそうに描写していた。公開中の映画『バブル』では、泡に覆われた東京で、“降泡現象”の調査をする科学者マコト役を演じている広瀬アリスさんだが、その役は、オーディションによって掴んだものだ。

一昨年の夏ごろ、事務所のスタッフから、「川村元気さんプロデュースで、荒木哲郎さんが監督するアニメの声優オーディションがあるんだけど、受けてみる?」と聞かれ、「川村さんと荒木監督にお会いできるのであれば、受けます」と即答していた。

「私は、荒木さんが監督を務めたアニメ『進撃の巨人』の大ファンでしたし、川村さんのプロデュース作品は、『君の名は。』や『天気の子』などのアニメだけでなく実写も含め、ほとんど拝見しているほど、その世界観に魅了されている1人です。言ってしまえば、ただのファンなので、単純にお会いしたかった。『受かろう』とか『マコト役を絶対にやりたい』なんていう意気込みはゼロでした」

撮影/篠塚ようこ
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撮影の合間を縫って、もらっていた台本のセリフを覚えて、オーディションに向かうと、会場には、荒木監督や川村プロデューサーがいた。それを見た瞬間に、「わーっ」と嬉しさが溢れた。

「無意識のうちに、ちょっと手を合わせて、拝んでしまっている自分がいました(笑)。もうこれだけで十分、と思いつつ、いざブースに入ってお芝居をしてみると、『あ、この役を自分で演じたいな』という思いが強くなって……。元々、声優は専門職だと思っていたので、それも含めて『私なんかが……』という気持ちはありつつ、台本をいただいただけではわからなかったセリフの意味を、ちゃんと理解したい気持ちが湧いてきたんです。合格の連絡をいただいてからは、もう新人の気持ちで、1から全部教えていただくつもりで臨みました」

広瀬さんがオーディションを受けて演じることとなったのは、子どもたちを支える研究者・マコト(c)2022「バブル」製作委員会