肩の力が抜けて出てきた「本音」
僕が一人暮らししていたマンションのすぐ近くにある炉端焼きのお店に、2人でよく足を運んだ。ある日、カウンターで飲んでいると、席を1つあけて1人の男性が座った。このあとご家族が大集合するのか?と思うほどの料理を注文していた。左右のカウンターを埋め尽くすほどの量。
その様子をビールを片手に見守っていた僕が「1人であんなに食べるんだ」と彼女に投げかけた。ボソッと発した何気ないこの1言が、実は彼女の中で僕を見る目が変わるきっかけだったそうだ。
「なんだ、人の噂話もするんだ。初めて共通する感覚を持っていることがわかった気がして嬉しかった」
そんなことを言っていた。なぜその言葉が彼女の琴線に触れたのかは、当時よくわからなかったが、面白芸能ゴシップを見つけてはリンクを送り合うという共通の悪趣味をもつ今では少しわかるような気もする。
それからというもの、不思議と肩の力が抜けた様な感覚があった。やはり無意識のうちに力んでいたんだなと気づく。そして、初めて人と心で繋がれた様な気がした。自分そのものを認めてもらえたような気がして嬉しかった。彼女のおかげで、本音でぶつかることの大切さを学んだ。そして少しばかりの自信を身につけることができた。
変わることは誰しも怖いし、簡単には変われない。未だに初対面の人とご一緒する時には、謎のフィルターが見え隠れすることもある。でも自分にそういった一面があるんだと把握できてからは、もう一歩踏み込んでみよう! と思えるようになり、少しずつ意識の変化を感じている。
今見ている景色の角度をたった1度変えるだけでも、5年後10年後には想像し得なかった方向に行き着いているかもしれない。
過去と今の自分を否定することなく味方につけて、変化を楽しみつづけていきたい。
上述のとおり、僕はごくごく平均的な普通の人間である。彼女と出会わなければ自分の個性に気が付かず、こうして文章を書いて表現することなどまずなかっただろう。彼女には大いに感謝している。
【次回は6月14日公開予定です】
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