「今、職場の近くで撮影しているよ!」

当時、僕は新宿区、彼女は港区でそれぞれ一人暮らしをしていた。30分もあれば会いに行ける距離。平日に仕事を終えた後、その足で彼女の自宅へ向かうこともあった。2人並んでもゆったりと使えるハウススタジオの様な素敵なキッチンで、初対面の独特なスパイスにむせつつも一緒にカレー作りを楽しんだりしながら、最近の出来事などを共有し合った。この時間が僕にとっては、楽しいひと時だった。彼女は本当によく笑う。彼女の笑顔と笑い声にはきっとヒーリング効果がある

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「今、つーたんの職場の近くで撮影しているよ!」と、仕事中の昼下がりに彼女から連絡をもらったこともあった。丁度ランチもこれからだったので、同僚にランチに誘われぬようこっそりと職場を脱出して覗きに向かう。彼女が仕事している現場を見るのはこれが初めてだった。
職場からほど近い場所にロケバスが停まっており、すぐにここだとわかった。周囲をきょろきょろと気にしながら、背伸びをして店内を覗いてみる。

いた。

彼女はプーさんを彷彿とさせる激しめの黄色い衣装に身を包み、お肉がどっさりとのった丼を美味しそうに頬張っていた。隣にはこちらも激しめの黄色いジャージに身を包んだJOYさん。道行く人々も撮影に気づき、その様子をスマホのカメラに抑えたいと、店先にはこじんまりとした人だかりができはじめていた。僕は慌ててそっと人だかりから抜け出して、ランチへと向かった。

ロケの時の写真ではありません 写真提供/バービー