少年少女ばかりをターゲットにした被害者24人の殺害容疑で逮捕された殺人犯が、成人女性が被害者の最後の事件についてだけ冤罪を主張した。真犯人は誰か――。そんなサイコサスペンス映画『死刑にいたる病』(白石和彌監督)が5月6日より全国で公開中。主役の“日本史上類を見ない数の若者を殺した連続殺人犯”を演じた阿部サダヲさんに、難しい役どころとどのように向き合ったのか、話を聞いた。

『死刑にいたる病』あらすじ
鬱屈した日々を送る大学生・筧井雅也(岡田健史)のもとに、中学生の頃通っていたパン屋の店主である連続殺人事件の犯人・榛村大和(阿部サダヲ)から1通の手紙が届く。大和は自身の罪を認めたものの、最後の事件は冤罪だと訴え、犯人が他にいることを証明してほしいと雅也に依頼する。雅也は自分を可愛がってくれていた頃の大和を思い出し、事実を確かめようと独自に事件を調べ始めるが――。
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理解できない人物をどう演じるのか

――連続殺人犯という難しい役どころでしたが、役作りはどのようにしたのでしょうか。

『死刑にいたる病』より

阿部:今回は非常に難しかったですね……。24人もの連続殺人を犯している人の気持ちは理解することができないですよね。なので、極力役作りはしないようにしました。榛村大和という人物の日常をただ演じるというか。

彼にとっては男子高校生や女子高校生をいたぶるのもルーティーンである一方、彼らを可愛がるパン屋としての姿もルーティーンです。なので、殺人もパン作りもなるべく自然に見えることを心掛けていました。「どちらも普通にやっている」というのがかえって怖い気がして。また、白石和彌監督からの要望で歯を白くしました。殺人犯なのに爽やかな白い歯が光る。そこはこだわりましたね。

今回の映画では、「自分が芝居をしてお客さんの気持ちを引っ張って行こう」という気持ちはなかったです。お客さんの気持ちをリードするのは雅也を演じる岡田(健史)さんのほう。彼の役のほうがお客さんも感情移入しやすいと思います。

『死刑にいたる病』より