プーチン「戦争宣言」見送りで中国はロシアを助けるのか、それとも切るのか

その決定権は、中国側にある

強権国家同士の複雑な関係性

5月9日午前10時(モスクワ時間)、世界が注視するロシアの対独戦勝記念式典が、モスクワの赤の広場で開かれた。ウラジーミル・プーチン大統領が演説を行ったが、一部で取り沙汰されていた「戦争宣言」や「核兵器使用宣言」などはなかった。

「NATO(北大西洋条約機構)は私たちの声に耳を傾けなかった。そして歴史的にロシアの領土だった地域に侵攻する準備を始めた。ウクライナは核兵器を入手する可能性まで言及し、NATOは国境付近に兵器を配備した。ロシアの国境付近に、われわれが絶対に受け入れられない脅威が起こったのだ……」

Gettyimages

実は、この日を最高レベルで注視していた国があった。隣国の大国・中国である。

日本では、中ロは同じ強権国家で、「準同盟関係」のように思われている。俗語で言うなら「同じ穴の狢(むじな)」だ。

だが、内実はそれほど単純ではない。1969年には約半年も中ロ国境紛争を起こし、「すわ、社会主義国同士で核戦争か」と世界がヤキモキしたほどだ。

そもそも古今東西、長い国境を接する2つの大国が蜜月関係を築くのは、容易ではない(中ロは東部4195km、西部54kmの計4249kmの国境を接していて、中国にとっては陸の国境を接する14ヵ国中で最長)。むしろ大国と小国の方が、「上下関係」が明確だから、よほど安定した関係を築けるというものだ。

 

2月24日にロシアがウクライナに侵攻した後も、中ロが決して一枚岩ではないという一例を示そう。

4月27日、中国黒竜江省に接したロシア極東のユダヤ自治州で、「シャレーニンスカヤ-同江鉄路大橋」の開通式典が行われた。式典には、ロシア副首相でもあるユーリ・トルトネフ極東連邦管区大統領全権代表が出席。「本日のこの記念すべき大橋の開通は、ロシア東部の輸送ルートを発展させるもので、ロシアと中国の経済提携の重要な一里塚である」と挨拶した。

だが、このニュースを見ていて、二つの疑問が残った。第一に、開通式典はなぜロシア側で開かれたのか? 第二に、なぜ中国側の同格の副首相クラスの要人が参加していないのか。

つまりは、中国側が、この式典に関して「冷めていた」ということだろう。気になったので、この件を調べていったら、興味深いことが分かってきた。

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