2022.05.16

「プラス思考」をやめたら、人生がこんなに楽に生きられることが分かった…!

頑張らなきゃの呪縛を解く

「自分にとって意味のある人生を送らなきゃ」「居場所を見つけなきゃ」。そんな前向き思考は、本心から出ているだろうか? じつはそれが世間に踊らされているだけの場合もある…。前編記事『「プラス思考」が与える驚愕のダメージ…じつは「頑張らなきゃ」はこんなに危険』に引き続き、知らない間に縛られていたプラス思考の呪縛から解放された人の心の動きを紹介する。

肩肘張るのはもうやめた

知らず知らずに縛られていた前向き思考から解放され、人生が楽になったと明かすのは、哲学者の土屋賢二氏だ。

名エッセイストであり、お茶の水女子大学の人気教授として知られた土屋氏は、同大文教育学部の学部長などを歴任し、'10年に定年を迎えた。

「僕は決してストイックな人間ではないと思うけれど、それでも教授時代の自分は、結果を残さなければ、という張り詰めた心情でいたと思います。

学問の場では、どんな質問をされるかわからないので、どういう場合でも対処できるようにと自室にはものすごい量の本を揃えていました。その上、仕事を終えた老後は古今東西の古典を読んで格調高く過ごそうと、ホメロスの叙事詩なども買い込みました」

だが、いざ退職して年数が経つと、現役時代に持っていた「もっと教養をつけよう」「人間的に成長しよう」という気持ちがなくなったという。

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「考えてみたら、若い頃にも似たような経験がありました。阿部次郎の『三太郎の日記』という名著があります。これを読まなきゃいっぱしの大学生じゃないとまで言われていたので僕も買ったんですが、最初の4ページで挫折したんですよ……。大学生になったらこういう本を読むべきだというようなことは、僕には向いていませんでした。

今でも自宅に本箱はたくさんありますが、どんどん娯楽関係の本が増えています。以前は息抜きのために置いていたんですが、息抜きのものだらけになった。人間って、どこまでも自分を甘やかすものだなぁと思います」

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