大後悔する「危ない老人ホーム」の意外な見分け方…「食事がまずくて母は元気を失った」

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千恵子さんがそれとなくスタッフに伝えると「あんまり熱くすると火傷するから危ないですよ。残さないでちゃんと食べてくださいね」と逆に叱られる始末。食事に文句を言うなんて贅沢だと言われて育った世代でもあるから、ろくに苦情も言えないでストレスはたまるばかりだった。

「料理すること、食べることは母にとっての生きる力の柱でした。それをすっかり奪われて、体力も気力も失ってしまった。次第に目に輝きがなくなり、入居1年で認知症も出始め、2年目の冬に誤嚥性肺炎で亡くなりました。

時間がなかったとはいえ、もっと食事の充実したホームに入れてあげればよかったと後悔しています」(靖子さん)

「空室アリ」は要注意

たかが食事と侮ってはいけない。一日のほとんどをホーム内で過ごす高齢者にとって、三度の食事は最大の「イベント」でもある。なにより食べることは健康に直結する重大事だ。

介護施設のコンサルティング業務などを行うスターパートナーズ代表、齋藤直路氏は、「施設を移りたい理由として最もよく聞かれるのが、『食事が美味しくない』こと」と指摘する。

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「他には施設の職員の接遇の問題。この二つの理由が多いと感じます。

食事については、キッチンが併設されていてその場で調理できる施設と、レトルトや冷凍食品を温めるだけの施設があります。調理設備が充実しているほうが美味しいものが出る。

もちろん、食費との兼ね合いもありますが、施設を選ぶときの参考になると思います」(齋藤氏)

中村さんの施設選びは、なぜ失敗したのか。食事の内容をきちんとチェックしなかったこと以外にも、間違いはいくつもあった。第一に、退院しても独り暮らしできないとわかってから急いで施設を探し始めたことだ。老人ホームコンサルタントの小嶋勝利氏が語る。

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