大後悔する「危ない老人ホーム」の意外な見分け方…「食事がまずくて母は元気を失った」

多くの人にとって、老人ホーム選びは人生で一度きりの、そして最大にして最後の大きな選択だ。にもかかわらず満足のいく選び方をできる人は珍しい。納得の施設選びには重要なコツがあった。

冷たいレトルト食品

中村千恵子さん(享年87、仮名)は料理上手な主婦だった。

半世紀以上にわたって、家族のために台所に立ち続け、夫を亡くして独り暮らしになってからはさすがに手の込んだレシピは減ったものの、自家製の味噌を使った具沢山の味噌汁や、丁寧に仕込んだ糠漬けが毎日、食卓に上った。娘の靖子さん(仮名)が語る。

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「料理研究家の土井善晴さんの本を読んで、『一汁一菜で十分なのよ』と、手際よく作っていました。あんなに頭もしっかりしていた母の様子がおかしくなったのは、施設に入って半年経った頃のことでした」

4年前、千恵子さんは、庭仕事の最中に踏み台から落ちて大腿骨を骨折した。3ヵ月入院したものの自力で歩けるまでには回復せず、結局自宅には戻らずに介護付き有料老人ホームに入ることになった。靖子さんが語る。

「時間もなかったので、大急ぎで探しました。幸い予算に合ったホームに空き部屋があって、私と弟で見学に行ったところ、施設の対応も丁寧だった。看護師も24時間常駐しているというし、そこに決めたんです」

千恵子さんも最初は、「子どもたちに迷惑をかけている」という遠慮の気持ちもあったのだろう、「いいところを見つけてくれてありがとう」と言っていた。だが見舞いに行くと、なにやら様子がおかしい。

以前より痩せて、日毎に生気が失われていくようだ。靖子さんが「なにか悪いところがあるの?」と尋ねると、「ちょっと、お食事がねえ……」とこぼした。

どうやら料理が口に合わず、満足に食べられないらしい。よくよく聞けば、食事のほとんどはレトルトを温めたもの。ひどいときはほとんど冷たいまま出されることもあったという。

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