「停滞」どころではない、日本の賃金は本当は「下がって」いる

パートタイム問題を覆い隠す欠陥統計
野口 悠紀雄 プロフィール

日本ではパートタイム労働者の比率が高い

パートタイム労働者の比率は、日本では顕著に上昇している。それに対して、他国では、さほど増えていない。

OECDのデータによれば、2020年におけるパートタイム労働者とフルタイム労働者の比率は、日本が22.9%、韓国が10.5%、OECD平均が14.2%だ。

OECDの統計は、フルタイム当量によるものだ。それに対して日本の賃金統計は、フルタイム当量で計算しているわけではないので、平均賃金の下落が大きく見える。これが、図表1の下落率が図表2の下落率より大きくなる原因だ。

 

なお、平均賃金では日本より韓国が高いのに、1人当たりGDPでは日本はまだ韓国に抜かれていないのは、後者の場合には分母が国民数であることの影響が大きい。

OECDの統計は、フルタイム当量によるものであるにもかかわらず、日本の平均賃金が下落している。これは、パートは、単に就業時間が短いだけでなく、時間給も低いことを意味する。

これは、先程の例で、3人目の人が労働時間が半分だが賃金が40だとしたら、フルタイム当量で計算しても、平均賃金は100から、240÷2.5=9.6に下がることを考えれば、分かるだろう。

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