中国政府発表の「作られた経済指標」をいよいよ無視できなくなってきた理由

日本企業は幻想から目を覚ませ

GDP成長率「4.8%」の大ウソ

4月18日に中国国家統計局が発表した2022年の1月~3月期(第1四半期)のGDP成長率は、大半のエコノミストの予測を大きく上回り、「4.8%」となった。

これに対してウォール・ストリート・ジャーナルは、ロックダウンによって工場が閉鎖され、何千万人という人々が自宅に閉じ込められながら、中国の第1四半期の経済成長が加速していると、やや皮肉にも取れる内容を報じた。明確な示し方ではないが、中国政府の発表の数字に疑問符をつけた感じだ。

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ロシアのウクライナ侵攻とこれに対する西側の制裁で商品価格が暴騰し、ビジネスコストも跳ね上がり、世界的なサプライチェーンが大きく傷ついている。急激なインフレがアメリカやヨーロッパを襲い、中国の工業製品の海外需要を減退させている。

同時に、世界経済は、じゃぶじゃぶとお金を回す緩和型から引き締め型へと急激に転換してきた。そうした状況下にありながら、中国にこんなに高い経済成長が可能なのか? というわけである。

野村も鉱工業生産といった3月指標の一部が鉱工業部門の活動を示すその他多くの主要指標と一致していないとして、ウォール・ストリート・ジャーナルと同様に、中国政府のデータに疑問符を投げかけた。

独立系のマクロ経済予測企業のキャピタル・エコノミクスも、サービス生産指数の伸びがGDP統計のサービス部門の伸びと合致しないことを指摘した。

 

さて、私が昨年3月に上梓した『それでも習近平が中国経済を崩壊させる』の中では、中国政府が発表する統計数字がいかにおかしなものであるのかについて詳述した。

そのうえで、中国政府が発表する数字と現実との落差が今後ますます大きくなり、一般のエコノミストたちも、この問題について無視できなくなっていくだろうと予測した。いよいよこれが現実化してきたと言えるだろう。

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