2022.05.14
# デフレ # 日本経済

なぜ日本の国力(経済力)は、これほど低下してしまったのか?

「日本病」の恐ろしさと原因を分析
永濱 利廣 プロフィール

「今日より明日は良くなる」と感じられるか?

photo by Getty Images

アメリカのシリコンバレーで働いている知人を持つ知り合いから興味深い話を聞きました。

「シリコンバレーでは皆、『今日より明日は良くなる』と思って生活しているんだ」

知人は、それに心底驚いたと言うのです。

長期デフレにある日本では考えにくいかもしれませんが、実はそちらが世界の「標準」です。世界では賃金が上がるのがふつうなのがその証拠です。

今日より明日は良くなる、と感じられるから、楽観的になり、貯蓄より買いたいものを優先できる。だから経済が回るのです。

逆に、「明日は今日よりも生活が苦しくなるかもしれない」という不安があれば、将来のためにお金を取っておこうと過剰に貯蓄をしてしまいます。企業も従業員の給与や設備投資に回すより現預金を増やし、リスクを取るよりも小さく安定しようとする──まさに日本を表すような心理状態ではないでしょうか。

これがデフレマインドです。「景気は気から」と言いますが、日本に根付いたこの心理が、デフレ脱却の大きな妨げになっています。

では、どうすればこのデフレマインドを克服できるのか。それを考えるために、次章からは「日本病」の現状について、より詳しく見ていきましょう。

(第2回に続く)

どうして日本の国力は、30年以上も低下し続けているのか? 
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