2022.05.02

「理想の学び」から離れていく…学校統廃合を強行する行政の「無理なロジック」

ならば、統廃合しない方がいいのでは?

教育のための学校統廃合はありうるか

学校統廃合、なかでも基本となる小学校の統合とはいったい何の問題なのだろうか。

財政問題がその原因であるかのように考えられているが、それは間違いである。

本サイトでも再三述べてきたように、例えば2022年度の日本の予算は過去最大の107兆円となっている。いまお金がないから学校を潰すというのは理に適わない。

そして、本サイトで伝えてきた広島県福山市の学校統廃合(第1回第2回第3回)でも、財政的理由はあくまで住民を説得するために使われるロジックであって、それが本当の理由ではない。でなければ統廃合の背後でイエナプラン教育校・常石ともに学園を新設した理由が分からない。

では学校統廃合は、いったい何のためにやっているのだろうか。

福山市教育委員会はそれを「教育のため」だという。

だが学校統廃合には様々な負の効果が知られている。そうしたものを越えた、教育のための学校統廃合というものは、はたしてありうるのか。今度はこのことについて考えてみたい。

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「統廃合すべき」という基準はない

しばしば誤解されていることだが、例えば小学校に「これ以上の数になったら統廃合せねばならない」という基準はない。

学校教育法施行規則第41条には、「小学校の学級数は、12学級以上18学級以下を標準とする」とある。

しかしながらそのすぐ後ろには「ただし、地域の実態その他により特別の事情のあるときは、この限りでない」と但し書きがつく。

実際、教育問題の識者に問うと、そもそも学校に「適正な規模」などないとさえいう。

いや、まず大きすぎるのはよくない。大規模校には問題が多い。これはいま40歳代以上の多くの人が体験したことであろう。昭和の記憶を呼び覚ませば学校は小さな方がよい。

ではどの程度の小ささなら許容できるのかということになるが、基本的にそんな基準はないと、この問題に関わる多くの人が口をそろえていう。

今見た学校教育法の学級数も、単純な理由で作られたものだという。

小学校であれば6年間、全く同じメンバーではなく、クラス替えができた方がよいだろう。しかし大きすぎる学校は望ましくない。そこで、6学年×2~3クラスということから、「12学級以上18学級以下を標準とする」となったものらしい。

しかもその後ろに但し書きがついているのは、これでなければならないということもなく、学校の規模は各地の事情で決めればよいということの表れだという。

考えてみれば当然で、日本列島には様々な地域がある。各地の事情を無視して、児童・生徒数だけ画一的に決められるわけがない。

学校規模は、各地の事情をふまえて各地域で決めればよい。それが適正な規模になる。これがまず、我が国における学校規模の基本的な考え方である。

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