「秒で60万人が読んだ」コロコロ初のラブコメ『ぷにる』爆誕の背景
編集部に訊いた2022年3月15日、小学館「コロコロコミック」編集部発のWEBニュース媒体「コロコロオンライン」がデジタルのオリジナルマンガも発表できるようリニューアルを果たし、ウェブマンガ誌「週刊コロコロコミック」が創刊された。
初日からバズを巻き起こして第1話が現在までに累計60万PVを叩き出した“コロコロ初のラブコメ”が、まえだくん『ぷにるはかわいいスライム』だ。
『ぷにる』はTwitterで公式アカウントを始めるとわずか1ヶ月半足らずで3.5万フォロワーを突破。その後も人気は継続・拡大中で、第5話までで累計200万PVを達成、最新話が掲載されるたびに「週コロ」のPVを爆増させている。
「週コロ」は何をめざして創刊され、いかにして『ぷにる』のような異色作が世に出る体制ができあがったのか――編集部に訊いた。

ヒトのかたちからベトベトの液状にまで変形…斬新すぎるスライムヒロイン
「コロコロ」は小学校中高学年男子をメインターゲットとしてきた媒体であり、「恋愛に興味を持ち始めたら卒業する」と言われてきた。
ところが『ぷにる』は、主人公の中学2年生コタローと、コタローと幼少期から同棲する人間の少女の姿をしたスライムのぷにる、コタローが憧れるきらら先輩を中心に進んでいく。
ぷにるは大好きなコタローの気を引くためにスライムの特性を活かしたとんでもない行動をし、コタローはぷにるに抱きつかれてびしゃびしゃ、ぬるぬるになりながらもツッコミを入れる。ぷにるはスライムらしく身体を自在にかたちを変え、おっぱいを揉まれそうになったところで胸をスパッと切って見せたり、あるいは大人化したりギャルっぽくなったりと見た目を大胆に変えていく。
「コロコロ」の作品として見た場合に異色であるだけでなく、「ラブコメ」として見てもヒロイン造形が非常に斬新だ。これが読者に衝撃を与え、連載が始まるとすぐにSNS上にファンアートが無数に投稿されるようになった。
「Twitterで公式ハッシュタグ『#ぷにるはかわいいスライム』を設定した日にトレンド4位に入るなど大人からの反響も大きいのですが、週末になるとアクセスが増えることから、コロコロ読者たちもしっかりと読んでくれていると編集部では見ています。アナリティクスを見ると本来のターゲットである子ども、それから『コロコロ』卒業生であろう18~24歳が特に順調に増えています」(小学館コロコロデジタルネットワーク室副編集長・小林浩一氏)
回が進むごとに“ぷにるがかわいい”という感想だけでなく、チャラ男のはずなのに児童館に行きたがったりキッズアニメネタを全力でやり抜く南波遊助など、個性的な登場キャラクター全般にファンが付いてきているという。