日本人が知らない、ロシア「民間軍事会社」の驚異的な「戦争代行サービス」

何から何まで、超効率的に…

依然として激戦が続くウクライナ。国境を越えて攻撃している部隊の中には正規軍に加えて、ロシアから仕事を受注した民間軍事会社も混ざっていると言われている。プーチンの国家戦略を分析した書籍『ハイブリッド戦争』から、知られざる民間軍事会社のリアルについて紹介しよう。

意外と知らない「民間軍事会社」

サイバー攻撃、特殊部隊と並んで、特にハイブリッド戦争において重要な役割を果たしているのが、民間軍事会社(PMC:Private Military Company)である(注)。現代版「傭兵」とも言えるPMCは冷戦終結後の世界秩序の変化のなかで、欧米を中心に世界で短期間のうちに急速に成長を遂げた。

冷戦後の世界においては、欧米諸国が軍事力の削減を進めていったが、その一方で域外介入への志向性も高まるという矛盾が生まれた。そして、その矛盾によって生まれた真空を埋めたのがPMCだったのである。

だが、PMCは単なる傭兵ではなく、戦闘のみならず、ロジスティクスやインテリジェンスに至るまで、非常に幅広い分野をカバーしながら、国家や民間の需要に応えつつ、軍事的な活動を総合的に支える役割を担っている。

ロシアのプーチン大統領[Photo by gettyimages]
 

エルケ・クラフマンは、現代のPMCの役割を主に7つにまとめる。すなわち、

(1)戦闘
(2)紛争地域で活動する政府、国際機関および非国家主体(NGO)の人員および基地に関連する人質・施設保護
(3)軍事訓練およびアドバイス
(4)軍用装備の運用及び保守に関する支援
(5)軍用装備の調達、流通、仲介
(6)爆発物の解体
(7)捕虜の選別を含む情報収集および分析

である。

このように、PMCの守備範囲はかなり広く、多様化した新しい戦争に対処してゆくためにも不可欠な存在となりつつあるのである。

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