2022.05.02
# 中国

習近平コロナ失政に「無関心」で高まる李克強の存在感が意味すること

コロナは個人独裁の綻びの始まり・後編

李克強首相の深謀遠慮

1ヵ月前から続いている中国・上海の都市封鎖は、経済活動や住民の生活に名状しがたい混乱を与えながら、肝心のコロナ感染を全く制圧できていないという、大失策となっている。

by Gettyimages

前編「習近平の『ゼロコロナ』への固執が招いた上海ロックダウン地獄絵図」で解説したように、秋の党大会を見すえて実績作りに狂奔した習近平国家主席の失態だが、その一方、このコロナ対策における習主席の大失敗・失態を横目にして、自らの管轄する領域で存在感を発揮している指導者もいる。党内における習主席最大のライバルであって対抗勢力筆頭の李克強首相である。

上海がロックダウンされている中で、李首相はどのような動きをしているのか。それを時間順に追って見ていけば実に興味深いものがある。

まずは上海ロックダウンが始まった直後の3月29日、李首相は国務院常務会議を主宰したが、会議のテーマは特大交通事故の防止や経済上の投資拡大の促進であってコロナ対策や「上海」とは全く無関係であった。

そして4月7日、李首相は再び国務院常務会議を主宰した。今度の議題は年金政策・失業対策の調整と研究であって、やはり「コロナ」とも「上海」とも関係はない。4月9日、李首相は「経済情勢に関する専門家・企業家座談会」を主宰し、参加者たちの声に耳を傾けたが、コロナのことも上海のことも一切話題に出ていない。

そして4月11日、李首相は視察先の江西省で「一部地方政府責任者座談会」を主宰し、参加者たちと共に経済成長の維持について討議した。江西省の党委員会書記・省長がリアルで参加した以外に、遼寧省・浙江省・広東省・四川省4省の省長はオンライン参加した。

 

4月13日、李首相はまたもや国務院常務会議を主宰し、「消費促進」などに関し具体策を討議しそれを決定した。4月14日、李首相は来る洪水・旱魃期における「洪水対策・旱魃対策」に関して、関連中央官庁と各地方政府に「重要指示」を出した。そして4月25日、李首相は「国務院第5回廉政会議」を主宰、「清廉潔白の政治」の実現について参加者たちと討議して「重要講話」を行なったという。

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