2022.05.02
# 中国

習近平の「ゼロコロナ」への固執が招いた上海ロックダウン地獄絵図

コロナは個人独裁の綻びの始まり・前編

怒りに満ちあふれる閉鎖都市・上海

日本のメディアでも連日報じられているように、中国屈指の大経済都市・上海は3月27日からロックダウンされることとなった。当初は市中心部を東西に分けて2段階的にロックダウンを始めていたが、4月5日あたりから全面的なロックダウンが実施された。

上海・浦東、住民検査  by Gettyimages

ロックダウン期間がすでに1ヵ月ほどが経った、この原稿を書いている4月27日現在、解除される見通しはいっさい立っていない。

そしてこの1ヵ月間、都市封鎖の上海市内はまさに阿鼻叫喚の地獄と化している。物流の中断や小売店の休業などによって生活物資が決定的に不足して食糧難も起き、文字通りの飢餓の蔓延が現実に起きた。

さらに、極端な強制隔離措置が取られた中では、重病となっていても病院へ行けないケースや小さな子供が親から切り離されて隔離施設へ送られるような人道上の災難も多発した。

このような状況に対し、多くの上海市民の不満が爆発寸前となった。一部の区域では市民による局部的な騒乱や抗議活動が勃発し、封鎖された市内を視察した上海市党委員会書記が市民に面罵されるという共産党政権下ではめったにない珍光景が見られるまでになった。

 

こうした中で、「上海人の忍耐は極限に達している」とする憤慨のブログ文が4月初旬にネット上で流布されると2000万回以上の閲覧され、全国で大きな反響を呼んだ。

4月22日からは、市民の怒りと悲しみの肉声を拾った短編動画の「四月の声」が通信アプリの「微信」上にアップされて大量に転載、拡散された。動画は当局により直ちに削除されたが、市民らは別の通信アプリやQRコードを使うなどして拡散を続け、団結して検閲に対抗した。

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