「干物女」といえば……?

綾瀬はるかさんが演じた、仕事はきっちり頑張るけれど、恋愛を半ば放棄して家ではジャージ姿でぐうたらと過ごす女性を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。そのドラマの原作となったのは、2022年に創刊30周年を迎えたマンガ雑誌「Kiss」で、2004年から連載を開始した、ひうらさとるさんの『ホタルノヒカリ』。累計発行部数は475万部を突破している大ヒット漫画です。

FRaUwebでは、「Kiss」30周年を記念し、『ホタルノヒカリ』の魅力を改めて掘り下げるとともに、コミックス1巻の試し読みを期間限定で公開! さらに、ひうらさとるさんへのコメント取材もしました。「干物女」というトレンドワードを生み出した本作の魅力、そして多くの女性から共感を得たキャラクター誕生のきっかけとは?

みなさまの作品愛や『ホタルノヒカリ』の好きなシーン、セリフなどもぜひお寄せください! (@frau_tw) 「#ホタルノヒカリ」「#FRaUマンガ部」でお待ちしております。

『ホタルノヒカリ』1巻まるごと期間限定無料試し読みは【2022年6月30日23時59分まで】

マンガ/ひうらさとる 文/FRaUマンガ部

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身近なところから生まれた「干物女」

干物女である主人公の雨宮蛍は、会社ではきちんと仕事をこなしているけれど、プライベートでは恋愛を半ば放棄して家でダラダラと過ごすことが大好きな女性。仕事が終わったら直帰し、マンガを読んで、手酌でお酒を飲み、休日はいつまでもゴロゴロとしている……そんな姿に「あ、私と同じことしてる」と多くの女性の共感を呼びました。当時このようなキャラクター設定は珍しかったと思うのですが、干物女を主人公にしたきっかけは何だったのでしょうか?

ひうら「その当時、私は30代後半で、それまでずっと女子は恋愛漫画が好きなんだと思いこんで恋愛ものを描いてきましたが、どうも20代後半のアシスタントの女の子たちや、ネットでブログを描いている子たちは、『恋愛にそんな興味がない』『むしろめんどくさい』と思っていることに気がつき、その子たちが魅力的に見えて面白いなと思ったことがきっかけです。私ももちろんそうだったので(笑)」

(c)ひうらさとる『ホタルノヒカリ』/講談社

意外にも身近なところから生まれた干物女。その身近な声を形にしたからこそ、共感の声がたくさん寄せられたのですね。新鮮な設定の主人公ですが、気になる登場人物は他にも。それは、会社の上司であり、ひょんなことから蛍と秘密の同居生活を送ることになった部長の高野誠一と、蛍の5年ぶりの恋愛相手となる年下の家具デザイナー手嶋マコト。蛍と密接な関係となる、この2人のキャラクター設定はどのように考えたのでしょうか。

ひうら「はじめに、Kiss編集部からは恋に疲れたアラサーバリキャリ女子と、可愛い年下男子の同居ものはどうですか?と打診されたのですが、蛍のキャラができたので、これはそういう感じじゃないなと思って。今となっては“あるある”ですが、バブル世代の先輩編集さんたちを20代の担当さんが『こんなことしてるんです、言うんです、ウケるww』と言っていたのがきっかけで、愛すべき中年の高野部長が生まれました。マコトは、それまでのようなお姉さんと年下男子の構図ではなくて、推しとオタクみたいな蛍にとっては距離のある恋愛関係で、ひたすら可愛く描きました」

(c)ひうらさとる『ホタルノヒカリ』/講談社
(c)ひうらさとる『ホタルノヒカリ』/講談社

休日もダラダラ過ごすばかりで恋愛とは縁遠かった蛍が、マコトとの出会いを機に5年ぶりの恋愛を始めるのですが、久しぶりすぎる恋愛に迷走して、自分らしさを出せず不器用にふるまってしまうことも。そんな蛍が弱音や悩みを素直に話せるのが同居人の高野部長。恋愛に一生懸命に向き合う蛍の姿も微笑ましいのですが、悩みを聞いて“オヤジの一般論”として返答する部長の言葉はキュンポイントでもあったりします。

ひうら「セリフを考えるのに特に何か本や映画などを参考にしたわけではないのですが、蛍が昔の私で、高野部長は描いている現時点の私という感じでお話を作っていたので、昔の私が言われたかった言葉、私に妹がいれば言ってあげたい言葉になっていると思います」

(c)ひうらさとる『ホタルノヒカリ』/講談社