10代は窮屈だったけど気持ちはラクだった

“元誘拐犯”と“被害女児”が、15年後に再会し、恋でも友情でもなく、他者には理解されることのない歪な人間関係を描いた映画『流浪の月』(5月13日公開)で、誘拐の被害女児となった家内更紗を演じる広瀬すずさん。インタビュー前編【広瀬すず「心が揺らいだ」松坂桃李さん、横浜流星さんの姿、監督との再会】では、芝居に対して手触りが何もなく、終始“ふわふわしていた”と撮影時のことや、共演者、監督とのエピソードを語ってくれた。

これまで役者として歩いてきた道のりは、とても輝かしく映る広瀬さん。13歳で表現の世界に飛びこんでから、息つく間もなく気がつけばデビュー10周年を迎えた。もうすぐ24歳を迎える今、「20代は思ったよりは楽しい、でも中途半端だなって感じるかな」と取り繕うこともない、率直な言葉がこぼれた。

10代はもっと窮屈に感じることもありました。でも気持ちはラクでした。20歳になるのが怖いように感じていた時期もあったけど、20代になったら自由が広がって、想像していたよりもずっと楽しい日々です。でも、時と場合によって同じ人が、“若いんだから”とか“大人なのに”と言うのを聞いて、20代って、どっちにも転がされちゃいそうな年代だとも思います

撮影/田形千紘
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自分の足元が定まっていないような違和感を“ふわふわしている”と広瀬さんは表現する。そのもどかしさは、芝居に通じていて、誠実に向き合うゆえに見過ごすことができなかったために生まれてきたものだろう。

「振り返ると、10代の頃は役にもっとストレートに向き合っていたと思います。当時は、まっすぐで、ある意味ピュアな感情が動いているような役をいただくことが多かったです。20代に入ってからは、少し影やニュアンスのある役が増えてきました。今回でいうと、『流浪の月』の更紗もそうで、ピュアな部分もあるけれど、それをストレートに表現する役ではなかったです。バックボーンに何かを抱えている役は、私自身の人生経験がないと追いつけなくてわからない部分も多い。だから難しいと感じた瞬間に、自分の中でもお芝居がファンタジーになってしまうこともあります。

今回の撮影で感じていたふわふわ感の正体は、自分の中で想像だけで止まってしまう焦りだったのかもしれないです。手触りとして感触が何もなくて、リアルじゃないなぁって。そう感じるのも、10代のときとはまた違った環境にいて、見られ方も違っているから。これまでの経験も踏まえて、カタチが変化していくことに面白さを感じつつ、どんどん難しくなっているのも事実です