2022.04.25

「Netflixとアマプラに絶望した」人気アニメ脚本家が明かした「本音」

作り手が語る倍速視聴 後編

先日、若い世代を中心に広がる「倍速視聴」について、若者の消費行動に詳しい20代のゆめめさんと40代の筆者で語り合った「ドラマも『切り抜き動画』で観る…『倍速視聴派』Z世代の視聴実態」は大きな反響を呼んだ。「1時間ドラマを5分30秒で観る」と語ったゆめめさんの感覚には、共感と驚き、批判、さまざまな声がタイムラインに溢れた。

倍速視聴や10秒スキップが当たり前になっている現状、“飛ばされない”作品とは一体どのようなものなのか? 前編に続き、拙著『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形』(光文社新書)にも登場してくれた脚本家の小林雄次さん(『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』シリーズ構成、「プリキュア」シリーズ各話脚本)に話を聞いた。

本書は、現代ビジネスでの不定期連載「映画を早送りで観る人たち」に追加取材と大幅な加筆を行ったもの。
 

“飛ばされない”作品とは

稲田 現にこれだけ倍速視聴習慣が浸透しているわけですから、「早送りなんてけしからん」で片付けることはできないですよね。商業作品を手掛ける脚本家としては。

小林 倍速視聴や10秒飛ばしや「話ごと飛ばし」は、全話一括配信のドラマシリーズやアニメシリーズで特によくやられている――と仮定してもいいですか?

稲田 いいと思います。調査からも、ドラマシリーズやアニメシリーズのほうが、映画よりも倍速視聴されやすいという結果が出ていますから。

小林 となると、最初から配信のために作る作品は、映画や地上波のドラマとはシナリオの作り方自体を変えるべきなんじゃないかと思います。数時間かけて何話も連続で観る、あるいは全話をまとめて観る人たちもかなりいるわけですから、「複数話を一気に観て楽しい構成」にしなければいけません。

稲田 具体的には?

小林 たとえば、毎回違う狂言回しやゲストが出てくるような1話完結型の話よりは、全体で一本筋が貫かれているような、一気呵成に見せるタイプの物語のほうが配信には向いているでしょうね。観終わったときのカタルシスが大きいですから。

稲田 なるほど。それに1話完結型だと1話ごとに一息入れやすいので、そこで観るのを止めやすくなってしまう。

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