このままでは大企業は外注文化、あとは国の補助金で生き残る

西成 特に、現在は「AIで新しい認識技術ができました」といったように、技術さえあれば大掛かりな初期投資をせずに新規事業を生み出せるはずです。

守屋 そのはずなんですが、うまくいかないんですよね。『起業は意志が10割』にも書きましたが、大企業の組織のルールから新規事業は切り離す必要があります。たとえば、立ち上げ者に、人事権も予算権限も渡さないままではうまくいくはずがありません。社長になった時に大事なリソースは、「人」と「金」じゃないですか。当然、その権限は渡した方がいいでしょう。

西成 このままでは、日本の企業は新たな価値を生み出せなくなってしまうのではないかと懸念しています。先日、サプライチェーン・ランキングを調べたら、日本の企業は20位以内に入っていませんでした。世界で勝てる企業がいなくなってしまっているのではないかと思います。大企業は外注文化で管理機能だけになっていき、あとは国の補助金で生きるような状態になるのでは、と悲観してしまいます。

 

守屋 行政と民間の関係性を変えていってもいいころですよね。たとえば、これまでは1718の日本の行政体がそれぞれに「こんなシステムがほしいから入札してください」と民間に提示していました。フォーマットもまちまちだし、手続きも面倒だし、入札したいと思っても大変な手間がかかっていたんです。しかし、DXによって、民間から「僕たちにはこんな技術があります。入札したい行政の方は手をあげてください」と伝えられるようなデジタルプラットフォームを創った企業があります。入札の流れを逆にする。これまで右から左へ流れていたものを、左から右へ流れるようなイメージの切り替えです。そうしたことによって、これまでとは全く違う結果を生み出しています。こうした既存の構造を転換する仕組みを作れるのが、DXの大きなメリットですよね。

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