2022.04.22

プーチンが描く「恐ろしい未来」…世界を大混乱に陥れる「ネオ・ユーラシア主義」の危ない実態

人類史上もっとも大きな力をもてあそぶ独裁者の暴走は、世界の常識を否応なく塗り替えた。恐怖と戦乱の時代が来ることは、どうやら避けられそうにない。生き残る術を、大局的視点から見つけ出す。

プーチンの脳内地図

「東の文明(ロシア)には、西の文明(アメリカ)がもたらす破壊を終わらせる使命がある」

プーチンのブレーンといわれるロシアの哲学者、アレクサンドル・ドゥーギンの言葉だ。彼の思想「ネオ・ユーラシア主義」は、ロシアがユーラシア大陸、そして世界の盟主として君臨するという野望に貫かれている。

プーチンは、その危険思想を実行に移した。

「ロシアのウクライナ侵攻で、新しい世界秩序への移行が始まった。プーチンは今後、ますます手段を選ばなくなるでしょう」(国際地政学研究所上席研究員の奥山真司氏)

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いま生まれつつある全く新しい世界秩序とは、どのようなものなのか。さらなる世界情勢の激変はいかに起きるのか。ウクライナ情勢の行く末と、節目の2030年までに起きる地政学的事件の数々を予測してゆこう。

侵攻開始から50日が過ぎ、ロシア軍の「勝利」すなわちウクライナ全土の支配は絶望的となった。だがプーチンは「目的を達するまで作戦を続ける」と豪語し、フィンランドとの国境に巡航ミサイル「バスチオン」を多数移動させるなど、一向に矛を収める気配がない。

拳を下ろせないプーチンは、(1)ジョージア・モルドバ侵攻の開始で戦線をむしろ拡大する。立命館大学政策科学部教授の上久保誠人氏が言う。

「敗北を認めれば、プーチンは国内で権力を維持できない。そこであり得るのが、別の反ロシア的な旧ソ連構成国に打って出ることで成果を得ようとする可能性です。たとえば、'08年に南オセチア紛争を戦ったジョージア、国内に親ロシア独立勢力を抱えるモルドバが標的になるかもしれません」

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