2022.04.22

2500億円のカネが溶けた…ロシアとの“天然ガス”共同開発凍結で「三井物産」が大ピンチに

安倍元総理の「肝入りプロジェクト」だった

「日本から5000km離れた北極圏のプロジェクトなんて、そもそも条件があまりに悪かった。これではカネを出させられただけ。その上、サハリン2の稼ぎも吹き飛びかねない」(三井物産幹部)

三井物産が国との合弁で参画する、ロシア北極圏の液化天然ガス採掘プロジェクト「アークティックLNG2」が暗礁に乗り上げている。物産と国は開発費の1割に当たる2500億円を出資しているが、ウクライナ侵攻で新規投資が凍結。

ロシア側の事業主体「ノバテク」大株主のゲンナジー・ティムチェンコ氏が、プーチンの柔道仲間にして「金庫番」と呼ばれる側近であることも不信を招いている。

プーチン大統領と「ノバテク」の大株主のゲンナジー・ティムチェンコ氏(Photo by gettyimages)プーチン大統領と「ノバテク」の大株主のゲンナジー・ティムチェンコ氏(Photo by gettyimages)
 

同プロジェクトは三井物産の最重要案件だ。安永竜夫会長は'19年6月、G20大阪サミットで当時の安倍首相とプーチンの面前で契約書に署名した。経産省関係者が言う。

「平和条約締結交渉のテコとして天然ガス開発を利用したい安倍さんと、ロシア資源ビジネスに強い安永会長の利害が一致したわけです。当時安永会長は『私はロシアで損をしたことはない』と豪語していました。しかしロシアが戦争を止める気配が全くない現在、残念ながら引くしかない」

別の政府関係者によれば、「国際世論に負けてロシアの天然ガス事業から撤退する場合、稼働中のサハリン2ではなく、来年から稼働予定だったアークティック2を止めることになる」。例えば広島ガスは供給量の半分がサハリン2のガスで占められているから、止めるわけにはいかないのだ。

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