新学期は、SNS上でも多くの保護者からの悲鳴が上がる。
「どれだけ書類書かないといけないの!」「去年のをコピペしてほしい」「なんでずっとアナログなんだろう……」家族関係、通学路などの手書き書類は本当に多い。新入学や入園ならなおさらだ。

しかし、悲鳴を上げているのは保護者だけではないという。ジャーナリストの島沢優子さんが取材した、先生たちを取り巻く実態とは。

島沢優子さん連載「子育てアップデート~子どもを伸ばす親の条件」これまでの記事はこちら
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新学期の憂鬱

東京の多摩方面にあるわが家は、公立小学校や中学校から徒歩3分の「学住近接」だ。よってうちの子たちの小さな後輩たちの足音やおしゃべりする声が毎朝聞こえる。家の塗装を明るいオレンジ色に塗り直した時など、小学生数人が見学(?)に現れた。私が「こんにちは~」と声を掛けたら、恥ずかしそうに走り去った。毎日知らない子たちに「おはよう」「おかえり~」とマスクの下から声をかける。子どもたちの微笑み返しが見たいからだ。

そんな笑顔を育む立場の先生たちは、学校がつらいらしい。
西日本某県の小学校に勤める男性教員によると、昨年ある小学校では4月1日に新卒教員がいきなり辞めた。その先生は大学の卒業式を終え、3月下旬から学校に来ていた。担任になるクラスも決まり様々準備をしていたのに、その日姿を現さなかった。辞める理由として「子どもが好きで学校の先生になったのに、マストな事務作業が多すぎる」と話したそうだ。

子どもたちと会う前に…Photo by iStock

そのことを教えてくれた男性教員は「出席簿などさまざまな書類を春休みの7日間でそろえなくてはいけない。準備で燃え尽きてしまったのかもしれない」と残念がる。時間外労働が過労死ラインの月80時間を超えている教員がまだ6割いるとも伝えられ、残業時間を過少申告するよう管理職から指示されたニュースも聞く。学校の働き方改革はなかなか進んでいないようだ。

教壇に立つ前に辞めたのだから、余程つらかったのだろう。そこで、同じ西日本の違う県で前年度をもって教員を早期退職した女性Aさん(40代)に実態を聞いてみた。新任の教員が4月に辞めるなんて、さすがに早すぎではないか。