2022.04.19
# ライフ

85歳母の「老後の資金」を同居の兄に使い込まれた、60代妹の大誤算

老人ホーム入居費にするつもりだったが

「老後2000万円」問題を発端として、多くの人が「老後のお金がない!」と嘆いていますが、厚生労働省の調べによれば、シニア層の貯蓄額が他の世代と比較すると突出して高いといというのも事実。

しかし、どんなに預金残高がたくさんあっても、それが幸福度に比例するとは限りません。「お金があれば幸せ」というのは一種の幻想であり、使い方しだいで深刻なトラブルを引き起こすことも多々あります。

本記事では、筆者が実際に相談を受けた事例の中から、そんな〈シニア×お金〉問題の一例をご紹介しましょう。

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別居する母を老人ホームに入れたいが……

相談者の川村典子さん(仮名・61歳)の悩みは、「母親を施設に入れるため、母の住んでいる実家を売りたい」というもの。お母さまの静子さん(仮名・85歳)はご主人を亡くされて以来ひとりで暮らしていて、敷地内にお兄さん家族が別の家を建てて住んでおられるとのことです。

静子さんは5年前にご主人を亡くされて以来、認知症の症状が見られるようになったとのこと。「最初はもの忘れがひどくなっただけだと思った」と典子さんは語りますが、85歳という年齢を考えると妥当な変化だといえます。

「2年ほど前に、敷地内に住んでいる兄から、『最近おふくろのようすがおかしい』と相談を受けてから、週1回のペースで母のようすを見にいくようになりました。話し相手をしたり、家事を手伝ってあげたり。

私の家から世田谷の実家までは、電車で片道1時間ほど。正直な話、たびたび通うにはちょっと面倒な距離なのですが、兄や兄嫁に認知症の母の世話をまかせっきりにするのは、さすがに心苦しくて……」

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