かーたんの答えは……

かーたんは、表情こそ和やかなものの、何か心にひっかかっているのか思い悩んでいる様子だった。
そして彩乃ちゃんとかーたんが、僕にはなんの話をしているのかよくわからなかったけれど、抽象的なやりとりを始めた。
はっきりとは思い出せないが「幸せになっても良いんじゃない?」、そんなことを彩乃ちゃんが涙目になりながら、かーたんに投げかけていたように記憶している。

そして、

「よろしくお願いします」

かーたんが返事をくれた。かーたんも目に涙をためているようだった。
かーたんも同じ気持ちでいてくれたこと、交際をスタートできること、全てがこの上なく嬉しかった。

カップル成立の直後! 写真提供/つーたん
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そして2組のカップルとなった僕たちは、改めて乾杯をした。2人がいてくれなければ、僕たちはカップルになれていなかったかもしれない。僕は2人にとても感謝している。

僕とコアラくんは無邪気にビールを飲みかわしていたが、彼女たちは2人揃って泣いていた。時には笑いながら、しかし笑い泣きではない、様々な感情が涙腺を刺激しているかのような涙を流していた。
きっと僕ら一般人にはわからない何かを、彼女たちは抱えて生きているんだ。1人の人間であることに変わりはないけれど、華やかに見える反面、何か犠牲にしているものがあるのかもしれない。2人の涙を見て、はじめてそう思った。

こうして僕たちは、偶然にも同じ日に、同じお店で交際をスタートさせた。

この日のことを思い返すたびに、こんな偶然が本当にあるのかと不思議でたまらなかった僕は、後々になって彼女に聞いてみた。

「あの日、本当は彩乃ちゃん達があのお店にいること知ってたの?」

全く知らなかったそう。どうやら本当に偶然だったようだ。むしろ彼女も、僕とコアラくんが連絡を取り合っていたのではないか、と思っていたそう。

僕たち4人にとって、この日は一生忘れられない大切な日となった。
それからというもの毎週のようにダブルデートを重ねた。浴衣で花火大会、飲み歩き、遊園地とまるでドラマ「オレンジデイズ」のようにグループ交際を満喫した。

「オレンジデイズ? あすなろ白書でしょ?」

と、口をあんぐりさせる彼女に僅かな年齢差を感じたがそれすらも愛おしかった。

花やしきで撮影したプリクラ。青春真っ只中! 写真提供/つーたん

【次回は5月14日公開予定です】