ついに告白

年が明け、彼女とデートの約束をした。新宿歌舞伎町のど真ん中にある個室焼き鳥店へ向かう。食通の彼女が長年かけて作り上げてきたというデータベース“バビログ”から見つけてくれたお店だ。クラブやキャバクラが数多く入るビルにそのお店は入っていた。

「あけおめ〜!」

ホムパ合コンの思い出話に花を咲かせつつビールをいただくが、この後に控える告白に緊張してしまい、いつもよりおかわりのペースが早い。

いつ、話を切り出そうか。ずっと考えていた。
ビールをもう1口飲んだら……かーたんが頼んだウーロンハイが運ばれてきたら……この梅水晶を1口食べてすっきりしたら……
何度も何度もタイミングを逃しつづけた。なんともかっこ悪い。

-AD-

このままではいけないと、まるでバンジージャンプを飛ぶかの如く、強引かつ唐突に心の中でカウントダウンを始めた。そうでもしないと間違いなく話を切り出すことはできないと思ったからだ。

3……2……1……ついに、

「僕は、かーたんのことが好きです。良かったら付き合ってください」

ようやく出た。やっとだ。緊張すると声が小さくなってしまう自覚があったので、大きめの声ではっきりと伝えることを意識した。

恐る恐る彼女の顔を覗くと、口元こそ笑みを浮かべていたものの、少し驚いたような表情でフリーズしていた。

「ありがとう。うれしいよ」

はっきりとした返事は聞けなかった。それもそうか、食事中に何の前触れもなく突然告白などされたら誰でも驚いて当たり前だ。
若干の気まずい空気をひしひしと感じながらも、それに気づかぬふりをしてふわふわとしたディナータイムを過ごしていた。