2022.04.12

「戦艦大和」はこうして滅びた…3056人の命を奪った、無能なエリート「神重徳」の正体

史上最大の46cm砲を備えた戦艦大和の運命は、ひとりの男によって変えられた。彼の狂信的な言動は次第に周囲に伝播し、組織は内部から崩壊していく。その先に待っていたのは最悪の結末だった。

海軍大学校卒の「勝ち組」

その戦艦は、アメリカ軍による猛烈な爆撃と魚雷を受けて沈んでいった。上空に600mもの煙を上げながら、全長263mの巨体が海中へと呑み込まれていく。

上官から即刻退去の命令を受けた兵士たちが船から離れようとしても、甲板に溜まった血で足を滑らせてしまう。海へ飛び込んだ兵士も、渦に巻き込まれて溺死していった。

沈みゆく戦艦に据えられた砲塔の黒板には、こんな言葉が書かれていた。

「総員死ニ方用意」—。

1945年4月7日、14時23分。鹿児島県坊ノ岬沖で戦艦大和が沈没してから77年が経った。

乗員3332人のうち3056人もの命が奪われた「大和沈没」は、凄惨な悲劇として知られる。

豊後水道の宿毛湾沖合付近を公試航行中の大和(1941年10月20日)/パブリック・ドメイン豊後水道の宿毛湾沖合付近を公試航行中の大和(1941年10月20日)/パブリック・ドメイン
 

航空戦力の護衛もないまま、アメリカ軍が上陸した沖縄へと突入し、艦を座礁させて砲台化する。そんな無謀な水上特攻を発案した男がいた。

連合艦隊首席参謀・神重徳大佐だ。

この男こそ、戦艦大和を沈没へと導いた大本営の高級参謀だった。

一部のエリートの誤った行動が、とりかえしのつかない大惨事を引き起こす。それは現在のロシアによるウクライナ侵攻もそうだ。プーチン大統領の意を過剰に汲み、忖度しすぎた側近が正確な戦況を報告しないせいで、戦争が泥沼化しているという批判が起きている。

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