2022.04.12
# 気候変動

ウクライナ戦争で“すっかり忘れ去られた”「脱炭素」の緊急性…その深刻さと「3つの処方箋」

IPCCが気候変動対策の提言を発表

「2019年までの10年間のCO2の排出量は人類史上で最悪だった」――。

国連の機関である「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」は4月4日、気候変動問題のうち、対策の提言を担当する「第3作業部会」の8年ぶりとなる評価報告書を公表した。

photo by iStock

現状について、増加ペースこそやや鈍っているものの、依然として人類のCO2排出は拡大を続けており、すでに地球の平均気温が産業革命前と比べて1.1℃上昇したうえ、このままでは20年後に1.5℃を越え、2100年には3.2℃も上がると予測。各国がパリ協定で合意した「2℃未満、できるなら1.5℃にとどめる」という目標は達成できないとの強い危機感をあらわにした。

実際のところ、3月の国際エネルギー機関(IEA)の発表によると、直近(2021年)のCO2排出量は363億トンと過去最高を更新。この背景にあったのは、新型コロナウイルスのパンデミックで落ち込んでいた経済活動の回復だ。中国などで、CO2の排出が多い石炭火力発電の利用が増えたのである。

 

加えて、今年2月のロシア軍によるウクライナ侵攻の影響は深刻だ。

西側先進諸国に天然ガスから石炭火力発電への回帰を余儀なくさせかねないだけでなく、エジプトで11月に開催される第27回気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)で西側諸国、ロシア、中国、インドを含む国際的なCO2排出削減の枠組みを維持できるかさえ危うくしている。カーボンニュートラルの緊急性がすっかり忘れ去られた格好なのだ。

しかし、気候変動は今なお変わることのない地球規模の危機である。今週は、IPCCの評価報告書が示した事態の深刻さと、その処方箋をみておこう。

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