ドイツの「国防政策大転換」“平和ボケ”から豹変に国民はついていけるのか

同じ敗戦国・日本にも共通する難題

ドイツ人の国防意識

ドイツが国防とエネルギーにおける政策の誤りを認め、大転換を図っているというニュースが流れているが、はたして、実際のところはどうなのか。

マクロン仏大統領はここ数年、EUは米国や英国に頼っているばかりではなく、自主防衛すべきだと主張してきた。しかし、それをいつもさりげなく無視してきたのがドイツだ。

そもそも安全保障がEUの重要案件になれば、核を持っているフランスが主導権を握るだろうから、ドイツはそれも気に入らない。結局、主要メディアも国民も、マクロン大統領が吠えれば、あたかもフランスが好戦的であるように皮肉っておしまいというのがこれまでの経緯だった。

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なお、NATOの決まりでは、加盟国の国防費はGDPの2%とされているが、1.5%より増やすつもりのなかったドイツは、これに関しても馬耳東風だった。

平和ボケの酷さでは、ドイツは日本といい勝負だ。それどころか、軍事忌避は日本よりも徹底していて、学校では体育の時間で整列する機会すらない。ましてや行進など禁忌。親も教師も、軍国主義を連想させると眉を顰めるだろう。

 

だから、ドイツ人は習い事でもしない限り、生まれてこのかた、他人と動きを揃えるということはしたことがない。大人になってジムへ行って音楽や掛け声に合わせて体操でもしようものなら、トレーナーなど完全に無視で、てんでバラバラ。しかも、誰も気にしない。その点、日本人は幼稚園ではお遊戯、小学校ではラジオ体操と、皆と合わせて動くことはとても上手だ。

そんなわけでドイツは今や、軍事のことを話題にしただけでも、右翼っぽいと敬遠される国となった。兵隊は堤防決壊の前に土嚢を積んでいる分にはOKだが、海外派兵となると非難轟々。戦死は名誉でも何でもなく、「可哀想だけど、好きで行ったんだから自業自得」と考える若者も多い。

徴兵制は大した議論もないまま、2012年で停止された。

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