ぐずぐずしていたり言うことを聞かなかったりする子どもをつい怒ってしまう。勉強しないでゲームばかりしている子どもにいつもイライラ。言い合いになっても子どもはなかなか変わってくれなくて、このままで大丈夫なのか心配……。そんなため息をついている人も多いのでは?

子どもが1人や2人でも頭を抱えることは多いというのに、三つ子、それもかなりやんちゃな男子3人のほぼワンオペ育児で、かつては医師にも育児ノイローゼ診断を受けたというのが島谷留美さん。その過酷で壮絶すぎる子育てを乗り越えるために編み出した「子どもに伝わる言葉がけ」を現在は、カウンセリングやセミナーを通して子育てに悩む親たちに伝えて絶大な支持を得ています。

この言葉がけメソッドにより島谷さん自身、学級崩壊主犯格レベルだった三つ子に「勉強しなさい」と一度も言うことなく、現在、長男は私大医学部で学び、次男は早稲田大学政治経済学部を卒業して総合商社に入社、三男は米国大学留学を経て外資系コンサルティング会社に入社。

このメソッドを初公開する著書『子どもに伝わる魔法の「ほめ方」「叱り方」〜モンスター三つ子男子の母ちゃんが見つけた』(講談社)から、子どものやる気を育てて親子の笑顔が増える魔法の言葉がけルールの一部をご紹介します。

保育園の親子遠足で。三つ子の3人とも「ママがいい―」と私の膝に乗りたがり、隣のママを見ながら「1人っ子のママってラクだよね……」と恨めしく思う。(写真提供:島谷留美)

「えらいね」「すごいね」は禁句

 「子どもは、ほめて伸ばそう」とよく言われます。そこで、たとえば子どもがテストでいい点数を取ってきたら、ここぞとばかりに「100点なんて、えらいね!」「すごいじゃない!」とほめている親御さんも多いのではないでしょうか。

けれどじつは、子どもを伸ばしたかったら、「えらいね」「すごいね」というほめ言葉は、禁句です。なぜなら「えらいね」「すごいね」という言葉がけは、何の根拠も持たないうえに、親=評価する人、子ども=評価される人という上下関係が前提になっているから。ほめること自体は、よいことです。でもそれが、上の立場から評価してほめる言葉であっては、子どもを伸ばすことにはつながらないのです。

子どもの頃から、親が無条件に「ほめて伸ばす」という方針を貫くとします。すると、上の立場にいる 親や先生たちから評価されることが、子どものモチベーションになってしまう可能性があります。「えらいね」「すごいね」という言葉のご褒美がもらえないと動けない人になることもあり得ます。ほめ倒してある程度までは伸びる子どももいるかもしれませんが、社会に出てほめてくれる人がいなくなったとき、限界にぶつかります。

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では、どんなほめ言葉が子どもを伸ばすのでしょうか? それは、結果ではなく、本人が過去にどんな行動をして、今どんなふうに頑張っているのか、というプロセスにフォーカスした言葉です。「えらいね」「すごいね」は単なる感想であり、何がどうえらくて、何がどうすごいのかという部分が曖昧です。いずれもプロセスを踏まえておらず、 親が結果を期待する気持ちを言葉にしているだけであり、子どものやる気を育てることにはならないのです。