育ちのよさは「欲」に出る…関西高級住宅地の「本物のセレブ」が絶対に品性を見失わない理由
第1話が放送されるや、「こんな世界があったのか!?」と話題を集めているドラマ「やんごとなき一族」(フジテレビ系、木曜夜10時~)。土屋太鳳さんと松下洸平さんが夫婦役で共演し、庶民の家庭から嫁いだ女性と超上流階級の“お家騒動”を描いた作品です。原作は、女性マンガ誌「Kiss」で連載中の同名作「やんごとなき一族」。本記事では、ドラマ開始を記念して、作者のこやまゆかりさんと、マンガのブレーンとなった関西屈指の高級住宅地に在住するセレブのお二人に、知られざる日本の上流社会のアレコレと、同作の魅力についてうかがいました。
運命の出会い
ーーまずはリアル“やんごとなき一族”のお二人と、こやまゆかりさんの出会いを教えてください。
こやま:この漫画を描くために、最初は知り合いのマダムにお話を聞いていたのですが、そのマダムから「1週間後に名家がお花見の会をされるので、先様が良いと仰ったら一緒にどうですか?」とお誘いいただいて。
その名家の女主人が、お二人のうちのひとり、橋村直美さん(仮名)だったんです。お邪魔させていただいたら、本当に目もくらむような華やかな世界で。じつはコミックス第1巻に登場したお花見の会のモデルにもなっています。
橋村さん:そこから私が、お友だちの小鳥遊響子さん(仮名)を、こやまさんにご紹介しました。
小鳥遊さん:こやまさんには、いろいろお話をしましたね。漫画に登場するエピソードは、すべて事実がベースなんですよ。
橋村さん:1巻で佐都の嫁いだ深山家の秋乃おばさまがスプーンを落としたとき、そのまま手渡ししようとして手をはたかれるシーンや、八寿子おばあさまが買ってきた、人数分には足りないお菓子をどうやって分けるのか…といったエピソードは、小鳥遊さんの娘時代の経験なのよね。私たちが話していたら、こやまさんが目を丸くして「それ、いつの時代の話ですか?」って。
こやま:ストーリー自体は多少現代風にアレンジしていますが、土台が本物でないと薄っぺらくなってしまうので、エピソードに関しては、ほぼそのまま使わせていただいています。

ーーお二人の婚家は、どのようなお家なのでしょうか。
こやま:橋村さんのお家は、関西の某有名武将の傍系で約300年続く名家です。今でも歴史ファンが、お家にある史跡を見に訪れるんだそうですよ。佐都が嫁ぐ深山家は、橋村さんのお家がモデルなんです。
小鳥遊さんのお家は、古くから鉄鋼業を営んでいて、ご先祖様はNHKの朝ドラにも登場しています。代々で築100年以上の洋館を守っておられて、そちらは文化財登録もされている歴史的価値が高いものなんです。
お二人には、代々続く家の歴史の中で培ってきた『守るべきもの』があるという共通点があります。漫画の舞台となる深山家は格式のある上流階級にしたいと思っていたので、まさに運命の出会いでした。