2022.04.08
# 離婚

他人事ではない…相談が増え続ける「“独身偽装”慰謝料事件」その顛末

和解金は通常より高額になるケースも

離婚事件や相続事件などを比較的多く取り扱う筆者の弁護士事務所には、日々、さまざまな相談が寄せられます。

今回は既婚者ながら独身と偽り、プロポーズ、両親への挨拶、結婚式、ハネムーンまで済ませてしまい、交際相手の千香さん(仮名/30代/独身)から慰謝料を請求されてしまった健太さん(仮名/40代/既婚)の事例です。

前編『既婚者なのに「プロポーズ」「両親への挨拶」まで…現実逃避で「嘘をつき続けた」40代男性の末路』で紹介したように、ついにウソがバレてしまった健太さん。千香さんから送られてきたのは、賠償金900万円という請求内容でした。

千香さん側は強硬な姿勢をとり続け…

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健太さんからのご依頼後、詳細なご事情を伺い、千香さん側との交渉を開始しました。

当事務所では、それまでも今回のようないわゆる独身偽装慰謝料事件は多く受任していましたが、健太さんからご事情を伺った事実経過からすれば、同種事案と比べると(健太さんには悪いですが)かなり悪質な部類に入る事案と言えました。

他方、千香さん側の請求額は、結婚式費用などの経済的な損失を加味しても、判例上の相場からすれば高額過ぎることは明らかであるため、交渉事件として受任の上、千香さん側との減額交渉を開始しました。

交渉開始後、当方からは健太さんの深い謝意を伝えつつ、同種事案の判例等も示して減額を求めました。当然、当初は全く減額に応じない姿勢でしたが、4ヵ月ほどの交渉の結果、ようやく600万円まで減額に応じてきました。

 

しかし、千香さん側は「これ以上の譲歩はできず、合意に至らない場合は裁判に移行させていただきます」との姿勢を示してきました。

それでも、判例的な相場からすればまだまだ高額であるため、交渉事件として600万円が相手方の譲歩可能な金額であるのであれば、一旦、交渉を打ち切りとした上で、訴訟上の決着をすることを健太さんに提案しました。

あくまで経済的な部分のみで考えれば、訴訟に移行し、追加で発生する弁護費用を考慮したとしても、裁判上の和解又は判決で決まるであろう賠償額との差額からすれば、訴訟に移行しても十分に採算が合う選択と言える状況でした。

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