2022.04.02
プーチンを「虐殺者」と発言…アメリカ国内でも非難集中のバイデンが「謝罪」しない理由
「危険な状況はさらに危険となった」
3月26日、ジョー・バイデン米大統領がポーランドの首都ワルシャワ市内にある旧王宮で行った演説が物議を醸した。
「この男が権力の座に居座ってはならない(This man cannot remain in power)」――。もちろん、「この男」とはウラジーミル・プーチン露大統領を指す。「……ロシアはウクライナで勝利を手にすることはない。自由を求める人々は、失望と暗闇に満ちた世界を拒むからだ。私たちには、民主主義と自由、可能性に根付いた明るい未来が訪れるだろう」と述べ、冒頭の「この男が…」と続けて演説を締めくくったのである。

波紋は大きかった。ロイター通信が速報で「バイデン氏はロシアにおけるプーチン氏の権力や体制転換について語ったわけではないと、米政府高官が述べた」と配信した。
しかし、ロシア大統領府の反発は当然であるとしても、米国内の外交・安全保障専門家らは「大統領発言が困難な状況をさらに困難にし、危険な状況はさらに危険となった」と、一様に強く批判した。