日本時間4月4日、2022年グラミー賞が発表になる。昨年に引き続き、『Butter』で最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞の候補に選ばれているBTS。果たして初受賞となるのか注目が集まっている。

ここ数年、BTSの人気分析について、社会学者や心理学者など学術系の専門家が著書を出版したり、エンタメ視点、ファン視点でも様々な声が記事化されてきた。

でも、意外とわからなかったのが、BTSに対する韓国本国の一般的な人たちの意識だ。「ARMY」と呼ばれるBTSのファンダムではない、普通の韓国の人にとってBTSとはどういった存在なのか。韓国情報をわかりやすくYouTubeで配信している韓国人ユーチューバーのジンさん、BTSファンでもある妻のJちゃんに合いの手を入れてもらいながら解説してもらった。

以下より、ジンさん・Jちゃんのお話です。

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デビュー当時の一般庶民の反応

2013年、BTSはBig Hit エンターテインメント(現在のHYBE)という小さなプロダクションから、ヒップホップを軸に歌って踊るアイドルとしてデビューしました。

韓国にはSMエンターテインメント、YGエンターテインメント、JYPエンターテインメントという3大芸能事務所があります。アイドルとしてデビューし、成功するにはこれらのどこかに所属しなければダメ、という認識を多くの人が持っています。BTSがデビューした頃は、EXO(SM)、SHINee(SM)、BIGBANG(YG)、2PM(JYP)といったグループが活躍していました。音楽通や現場で彼らの曲を聴いた人たちの評価は高かったようですが、大衆から大きな注目を集めてデビューした、という形ではありませんでした。

さらに、BTSがいわゆるアイドルソングではなく、ヒップホップを歌っていたことも大衆を惹きつける、という点ではマイナスに働きました。しかも歌詞の内容は恋愛ではなく、自身の主張したい想いなど10代が抱えるつらさをラップにのせたもの。のちに当時の楽曲も大衆から“刺さる”と評価されるようになりますが、当時の韓国では数少なく、大衆には少し尖った子たち、という印象を持つ人が多かったのかもしれません。

また、BTSは自分たちで楽曲制作にかかわってはいたものの、ヒップホップ界で活動するラッパーやヒップホップファンたちから「アイドルでしょ? 他人が作った歌を歌うだけの人たちでしょ? それがなんでわざわざヒップホップをやるの?」と失笑された時期もありました。当時の彼らを知っている人たちも、実力は感じるが、長続きするグループなのかはわからない、というのが正直な感想だったと思います。

デビュー当時のBTS。今よりもヒップホップ色が強いイメージだった。photo/Getty Images
音楽性やダンスへの評価は高かったものの、デビューから1~2年は一般大衆にどれだけウケるかは未知数だった。photo/Getty Images