2022.04.01
# 中国

中国の激烈な「受験戦争」と「教育格差」、じつはいまそこに「巨大な変化」が起きていた…!

中国といえば、激烈な受験戦争や教育の格差で知られる。中国政府は現在、やっきになってそうした格差や競争に対応すべく改革をおこなっているが、実際どのような変化が起きているのか。『いま中国人は中国をこう見る』(日経プレミアシリーズ)を上梓したジャーナリストの中島恵さんがレポートする。

 

受験競争を抑えにかかる

昨年、「共同富裕」(ともに豊かになる、というスローガン)を掲げた中国。教育界では「双減政策」(宿題を減らす、学外教育(主に学習塾)を減らす)が注目を集めた。過熱する受験競争や塾の業績争いを抑制し、子どもの負担を軽減するのが目的で、一部の教育熱心な保護者からは不満の声が上がったが、日ごろから教育格差に不満を感じていた保護者からは歓迎の声も少なくなかった。

こうしたなか、もう一つ画期的な「変化」がいま教育界で起きていることを、私はたまたま取材した中国人の話から知った。それは、社会問題の要因にもなっていた中国の戸籍制度にもつながるものだという。

2021年9月、『いま中国人は中国をこう見る』の取材の過程で、子どもが上海の私立小学校に入学した中国人が、興味深い話を切り出した。

「うちの子が上海のある私立小学校に入学できたんです。

中国で『いい学校』とされるのは政府が資金を投入する国立の重点校で、私立ではまだいい学校は少ないのですが、近年、上海ではかなりいい私立校が増えています。私も子どもを私立に入学させようと準備してきたところ、2021年度のある私立の入学試験では、それまであった面接と筆記試験がなくなったことがわかりました。競争の激化を避けるためだそうです。

以前は教育レベルの高い親の子どもが合格する確率が高かったそうですが、できるだけ“平等”にするために、抽選になったのだそうです。抽選は入学(9月)の半年前に行われ、うちの子は運よく当たりました。本当によかったです」

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