ついに日銀が引いた「円安」の引き金…“長期金利の抑制策”は吉と出るか凶と出るか

「伝家の宝刀」を抜くも、効果は懐疑的

話題をさらった「日銀によるオペの総動員」

黒田日銀総裁/photo by gettyimages

一段と円安が進んでもおかしくない状況になってきた。

引き金を引いたのは、他ならぬ日本銀行だ。3月28日からの4日間、使える手段をすべて動員して、強引に長期金利の上昇を抑え込んだからである。

その一方で、注目されていた4月1日発表の米雇用統計(3月分)は、非農業部門就業者の前月比の増加数が2月の75万人からは縮小したものの、それでも43万1000人と堅調で、改めて米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを速める余地を残した。

日米の金利格差の拡大懸念が高まる中で、既に安値圏にある円が一段の下値に突っ込むことを防ぐ手段を日銀は持っているのだろうか。

先週の経済ニュースで大きな話題になったのが、「日銀によるオペの総動員」だ。まずは、その状況を丁寧に振り返っておこう。

 

最初は3月28日の午前だ。日銀は、新発10年物国債、つまり新規に発行される10年債を対象に応札があれば、0.25%の利回りで無制限に買い入れると通知した。

所謂、「指し値オペ」(オペはオペレーションの略、公開市場操作ともいう)である。午前中は、日銀が提示した利回りが市場実勢より高く(価格は安く)、応札する金融機関は現れなかった。

しかし、午後になると市場の金利が上昇。このため、日銀が再び「指し値オペ」を実施し、結局645億円分の国債を買い入れた。

日銀が1日2回の「指し値オペ」を実施したのは、この日が初めてだ。

「指し値オペ」は、日銀が指定した利回りで長期国債を買い取る制度である。前述のように、3月28日に2回行った「指し値オペ」は、新発10年物国債を0.25%の利回りで無制限で買い取るというもので、これによって理論上、オペ期間中に0.25%を超える金利で国債が取引されることはなくなる。

つまり、0.25%が長期金利の上限になり、その水準を超えて長期金利が上昇することはなくなるわけだ。

もちろん、こうしたオペを乱発すれば、自由な取引を妨げ、市場機能を損なうリスクがある。が、紙幅が限られているので、その議論はまたの機会に譲り、ここはオペの動きを追いかけよう。

この日のオペで注意したいのは、「『指し値オペ』によって日本の長期金利が低く抑えられると、米国との長期金利格差が一段と大きくなる」との見方から、外為市場で円相場が一時1ドル=125円台と、2015年8月以来の円安になったことだ。この円安の問題については、あとでじっくり考えよう。

 
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