2022.05.05

ピアノブーム再燃も…「ピアノ講師」という職業が抱える「儲からない」という大問題

「弁護士」との比較から

ピアノブーム再燃の兆し

目指すは芸術か、それとも教育か、あるいはビジネスか――。

今、日本にピアノブーム再燃の兆しが見えつつある。その背景には、大手楽器メーカー、ヤマハによるプロジェクト「LovePiano」によるストリートピアノの普及と定着が大きい。加えて昨年開催の世界的ピアノコンクール、「ショパンコンクール」では2位入賞を果たした反田恭平ら日本人ピアニスト勢の活躍も追い風となった。

ネット上に目をやると、今、その反田をはじめ、4位入賞の小林愛実、動画SNS「ユーチューブ」で広く人気を博している“かてぃん”こと角野隼斗ら“ショパコン”の英雄たちの動きをファンたちがつぶさに注目している様子が窺える。そのなかには応援の声はもちろん、彼、彼女らを育てた指導者への感謝の声も時折目にするところだ。

優れた演奏家には素晴らしい指導者がついている。ピアノを習得するうえで指導者、ピアノ講師という職業もまたピアノの世界では欠かせない存在だ。

『ピアノの森』より ©一色まこと/講談社
 

だが、このピアノ講師という職業に就いている人は意外にもすくない。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ<PITINA>、以下、ピティナと略)のHPによると、ここピティナ所属の指導者だけに限っても約1万2000人しかいない。

近年、その数が増えたとはいえ、まだまだその職業人口がすくない弁護士ですら4万2164人(出所:『弁護士白書』、2020年3月31日時点)だ。

約4万人の職業人口を擁する弁護士は時に文系資格最高峰と呼ばれ、時代を問わず広く世に認識されている。対して理系資格のそれと呼ばれる医師の職業人口は32万7210人(出所:厚生労働省『医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』<2018年>)である。

この数字だけをみても、いかにピアノ講師という職業は、これに就いている人がすくないのかがわかるだろう。

それもそのはず。余程の進学校は例外として、公立学校出身者が、小、中学校の同級生の顔を思い起こしたとき医師になったという人は、もしかすると1人か2人はいるかもしれない。

ところが弁護士となると、相続や離婚、借金問題でその世話になった、顧客として関わったという人はともかく、弁護士になった人がいるというのは、余程の進学校出身者でもない限り、極めて稀なはずだ。

その数少ない職業人口を誇る弁護士よりも、大幅にその職業人口数がすくない職業、それがピアノ講師である。

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