母と祖母の形見の着物を長年寝かし続けたが、12年前に一念発起して着物デビューしたイラストレーターでエッセイストの森優子さん。「着る楽しみ」から始まり、海外旅行先では、「言葉や文化の壁をらくらく越えるコミュニケーション・ツール」としての実力を思い知った。やがて日本国内で「着物を着たいのに着られない」外国人留学生らに「着せてあげるプロジェクト」にも参加するようになった。その活動がコロナ禍で休止して2年半たったころ、森さんのところに、あるモンゴル人留学生の願いが寄せられた。

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「着物は着物を呼ぶ」

周囲から「着物を着る人」と認知されるようになると、たとえば「母の着物をもらってくれない?」と着物の方からやってくる。あるいは、「息子の入学式でこのコーデは大丈夫?」「浴衣選びに付いてきて」など、着物がらみの相談やお誘いを受けることも増える。
「着物は着物を呼ぶ」。これは着物をたしなむ人なら、多かれ少なかれきっと誰もが実感することだと思う。サムライに憧れるモンゴル人留学生ダグワさんとの出会いもまた、着物がたぐり寄せたご縁の一つだったのである。

そもそもは昨年末、私が一度はナマで拝みたいと願っていたピアニスト、フジコ・ヘミング氏の演奏会に奇跡的に残席があると分かって飛びついたのが始まりだった。

フジコ・ヘミングからモンゴル人留学生へと繋がるエピソードは漫画でご覧ください。