ここにきて「プーチンの暗殺」が現実味を帯びてきた…引退した「凄腕のスナイパー」参戦のワケ

「伝説の狙撃手」がいるという。ワリと呼ばれるその男は、カナダ人で名はオリバーという。前編記事『侵攻激化のウラで…プーチン暗殺に送り込まれた「凄腕スナイパー」の正体』では、なぜ彼が世界最強のスナイパーと呼ばれるまでに至ったのか、その経緯をお伝えした。

現在40代のワリは戦争から足を洗い、最愛の妻と3人の子供にも恵まれプログラマーとして安定した暮らしをしていた。そんな彼が家族を残し再び戦地に戻った最大の理由はなんだったのか…?

カナダとウクライナの絆

「ウクライナで街が破壊される映像を見ていると、危険な目に遭って苦しんでいるのが、自分の息子に見えてきました」

ワリは海外メディアの取材にこう答えた。だが、最愛の妻はワリが再び銃を取ることに反対だった。もうすぐ息子の1歳の誕生日が来るのに、そんな場所に行くなんて……。

しかしワリには戦うべき理由があった。ウクライナ人は他人なんかじゃない。見捨てられない「隣人」だからだ。

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そもそもカナダとウクライナは特別な絆で結ばれている。移民大国カナダには、150万人を超えるウクライナ系住民がいる。ワリと同じく義勇兵に参加したカナダ人退役軍人の中にも、ウクライナ人の妻と幼い娘がいる者がいた。

'14年のロシアによるクリミア併合の際も、カナダは強硬に反対し、ウクライナへの支援策として約2億ドルを融資している。ワリはこう語る。

「(ウクライナの人々は)ロシア人ではなく、ヨーロッパ人でありたいという理由だけで、爆撃を受けている。だから、助けなければならない」

ケベックから7500km以上離れたウクライナを目指し、ワリは3人の元カナダ兵を連れてポーランドに飛んだ。陸路で国境を目指す途中、国外避難のためのバスや、寒さに耐えながら凍てつく大地を歩く人々とすれ違った。故郷を追われた人々の群れに逆らいながら、ワリは進む。

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