2022.03.29
# ビジネス

「明日から有休を15日間下さい!」年度末に有休を消化してない32歳会社員の「思い切った行動」

新型コロナの影響はこんなところにも出ていた。会社員のある男性は、コロナの影響で海外旅行ができなかったため、年度末近くになっても有休を35日分消化できていないというのだ。大量の有休を無事使い切ることはできるのか? 社会保険労務士の木村政美氏が事例を紹介しつつ、有休制度についてイチから解説する。

有休があと35日も残っているんです…

A上さん(32歳・男性、仮名=以下同、企画課勤務)は大学卒業後甲社に就職した。趣味は学生時代から続いている海外旅行で、仕事の閑散期になると週末や祝日と年次有給休暇(以下「有休」という)を合わせて時間を作り、パックパッカーとして海外各地に出かけていた。

ところが2年前から新型コロナの影響で海外に渡航できなくなってしまい、その後は週末の休みさえも持て余すようになっていた。

Photo by iStock

2月中旬の給料日。自分の給料明細書を眺めていたA上さんは、明細書のある部分にふと目をとめた。そこには「あなたの有休残日数はあと35日です」と書かれていた。

それを見たA上さんは、今年度は1日も有休を取っていなかったこと、そして昨年度は会社から強制されて5日間取っただけで、その他は1日も有休を消化していなかったことを思い出した。海外旅行ができないので有休を取る理由がなくなり、残日数のことは気にしていなかったのだ。

 

怪訝そうな顔をしながら大きなため息をついたA上さん。隣席のB元さん(A上さんと同じ部署の先輩で34歳。男性)がその様子を気にして声をかけた。

「どうした、仕事が詰まっちゃった?」
「違います。俺、有休があと35日も残っているんです。今年度なんか1日も取ってないです。これ、どうすればいいですか? そうだ!コロナが収まればまた海外旅行できるので、その時にまとめて取っちゃおうかな」

A上さんの言葉に、B元さんはあわてて手を振った。

「前年度の有休は3月31日までに取らないと時効で消滅になるよ」
「それはどういうことですか?」

A上さんは新型コロナ前までは、自分の有休は海外旅行のために年度内で全部消化し、翌年度に持ち越したことがなかった。そのため有休には時効があることを知らなかったのだ。

「ウチの会社の有休は毎年4月1日に今年度分が新たに付与される決まりなのは知ってるよね?」
「はい、もちろんです」
「しかし有休には時効があって、付与日から2年がすぎると消滅になる。だから君が残している前年度分15日間の有休は、今年の3月末までに取らないと消えちゃうんだよ」
「そんなバカな! 有休が消えるなんてヒドイ。すぐに課長に話して有休をもらってきます」

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