デビュー曲の「夜に駆ける」MVのyoutubeでの再生回数は、2億5000回超え。ストリーミング再生回数は累計7億回を超え、Billboard JAPAN史上初の記録を更新。2021年は紅白歌合戦にも出場し、若者を中心に大きな人気を集めるアーティスト・YOASOBI。彼らを語る上で欠かせない人物がクリエイターの藍にいなだ。

「夜に駆ける」のMVでは全編のアニメーションを制作し、ポップなカラーや繊細な絵のタッチで魅せる一方で、グロテスクな表現も混ぜ込むことにより、唯一無二の世界観を築いた。その後、米津玄師「カナリヤ」や山下達郎「さよなら夏の日」、Hey!Say!JUMP 「千夜一夜」など、大物アーティストのMVのアニメーションも多数手がけ話題になった。

学生時代に「夜に駆ける」MVを手がけた道のりを伺った前編「YOASOBI「夜に駆ける」のMV誕生まで。藍にいなが学生時代に花開いた理由」に続く後編では、藍にいなの作るアニメーションがどうしてこれほどまでに多くの人に愛され支持を受けるのか、その理由を彼女のMV制作にかける想いから探る。

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小さい頃から音楽をイメージして絵を描いていた

普段アニメーションの制作はMacBookPro一台で完結しているという。

「学生時代からずっと、Macを使っています。Macに液タブをつなげ、CLIP STUDIO PAINTというソフトを使って作画をして、Adobe After Effectsというソフトウェアに落とし込み、映像につなげます。このソフトだとさまざまなアナログのテクスチャー表現ができて、工夫するとデジタルかアナログかわからないようなものができます。私はペンタブでは描けなくて、アナログに近いんです。アナログなものをデジタルで表現しているようなイメージですね」

アナログなタッチをMacBookProで創り上げているという

MVを作るときは、音楽を聴いて浮かび上がってきたものを描く、という藍にいな。彼女の脳内では、どのような形でイメージが生まれているのだろうか。

「最初にイメージカラーを決めることが多いかもしれません。まずは歌詞などは見ずに、音楽だけを聴いて印象を掴む。そのイメージをスケッチします。そこから、こういうシーンがあったらいいんじゃないか、という具体的な部分を詰めていきます。私、子どもの頃から音楽を聴いてその世界観を絵にする、という作業が好きでよくしていたんです。私にとってMVって、その頃の作業の延長線上にあるような気がします。Instagramなどでも、過去に趣味で描いた音楽をイメージしたアートを公開しています。公開していないだけで、趣味で描いたアートもたくさんあります」

(c)藍にいな「jealousy」