2022.04.10
# 介護

「100万人に1人の難病」を抱えた「ヤングケアラー」、生活保護も却下された困窮の日々

近年、社会問題となっている「ヤングケアラー(若者介護者)」。前編記事〈20歳で大学を退学し祖母を介護…自身も「難病の疑い」を告げられたヤングケアラーの過酷な運命〉で紹介した横江未菜さんも、祖母の介護のために大学を中退し介護を続けたその1人だ。

彼女は介護中に「100万人に1人」ともいわれる難病「スティッフパーソン症候群」の診断を受けた。肉体的にも経済的にも苦しい状況の横江さんのその後とは。

おばあちゃんは、ぼくが介護します。』の著者、奥村シンゴさんが「ヤングケアラー」が置かれているシビアな現実を明るみにする。

「中途障がい者」を取り巻く現実

横江さんが苦しむ「スティッフパーソン症候群」は、脳と脊髄にまつわる病気で、腹部や体幹がじょじょに硬直し、やがて全身の筋肉が侵される進行性の神経性疾患です。

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患者の多くに神経が筋肉を過剰に刺激するのを防ぐグルタミン酸脱炭酸酵素を攻撃する抗体が見られ、そのせいで筋肉が硬くこわばっていきます。患者数は100万人に1人と少ない上に難病指定されておらず認知度も低いです。

そのため、横江さんは、なかなか就職できず経済的に困窮しています。

まず、横江さんのように突然病気や事故で障がい者になった「中途障がい者」は、収入を得たいと思っても働く場所が減っています。

厚生労働省の「令和2年度 ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況」によると、就職件数は、身体障がい2万25件(昨年比マイナス5459件)、知的障がい1万9801件(昨年比マイナス2098件)、精神障がい4万624件(昨年比マイナス8988件)と軒並み減少。

「スティッフパーソン症候群」は身体障がいに分類されますので、精神障がいに続く就職件数の減少で厳しい実態が浮き彫りになっています。

横江さんは20歳から祖母を介護し、21歳でALSの疑いで車椅子生活になりました。障害年金を受けるには、障がいの原因となった傷病の初診日が、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間中である必要があり、横江さんの場合、対象外でした。

 

また、特別障害者手当は、「身体や精神に著しく重度障害があり日常生活で特別な介護が必要な20歳以上の人」が対象になりますが、重度と認定されず非該当。

このように、「中途障がい者のヤングケアラー」の中には、障害年金や特別障害者手当も支給されない人が存在し、早急な緩和措置が求められます。

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