旅作家の歩りえこさんが、世界94カ国を旅していた頃に出会った人や現地の様子などを綴っているFRaUweb連載「世界94カ国で出会った男たち」。今回は、初めて街を歩いたときに自信に満ち溢れている女性たちの姿に目が釘付けになったというスウェーデンでのお話。結婚、妊娠、出産と大きな転機がある女性の人生、そして幸せの在り方を考えることとなった旅のエピソードを振り返ります。

輝いて見えたスウェーデンの女性たち

「主婦」。この言葉は日本では当たり前に使われているし、職業欄に「専業主婦」と書く人も多い。でも、世界には「主婦」というものがほぼ存在しないような国もある。経済的に自立した女性が多いスウェーデンもそのひとつだ。

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初めてストックホルムの街を歩いたとき、長身の女性たちが海風を切って颯爽と歩く姿に目が釘付けになった。今で言えば、人気テレビドラマシリーズ「ドクターX」の大門未知子のように全員見えた。誰一人背中を丸めて歩いている人などいない。おしゃれな服に身を包み、ひとりひとりが自信に満ち溢れていて、私の眼には眩いばかりに輝いて見えた

美しい水の都ストックホルムは14の島とそれを囲う運河があり、絵画のような雰囲気だ。写真提供/歩りえこ

そして、海沿いのベンチには犬を連れて、手を繋ぎながら仲良く談笑する高齢者カップルの姿が目に飛び込んでくる。いいな。あのくらいの歳になっても仲良く手を繋いで会話してるんだ。幸せそうだな。そんな仲睦まじい高齢者カップルやバリバリのキャリアウーマンを眺めながらストックホルムの街を歩いていると、衝撃的な光景を目にした。

おしゃれなレストランで食事するカップルたち、そしてレストランの外にはベビーカーが置かれてあった。ここまでは日本でもありふれていて特に気になることでもない。私が気になったのは、レストランの外に置かれたベビーカーに赤ちゃんが乗っていることだ

え? 赤ちゃんひとりで大丈夫なの? と思わず心配になってしまったが、赤ちゃんは毛布にくるまれてスヤスヤと眠りについている。誘拐されないだろうか? 寒くないだろうか? 目覚めたときにママがいないと不安にならないだろうか? 一瞬で色々なことが頭をよぎる。

他国なら虐待で通報されかねないが、あとで宿泊していた宿の従業員に聞いてみたら、スウェーデンではベビーカーで寝ている赤ちゃんを外に置いて食事することは一般的で特別なことではないと言う(※)

※編集部注:そうした場合、ベビーコールと呼ばれるモニターの送信機をベビーカーにつけているため、何かがあったらわかる仕組みになっている。

凄いな……この国は女性だけでなく赤ちゃんまで自立してるんだ。

海沿いのベンチに座って談笑する老婦人たち。とても癒される街並みだ。写真提供/歩りえこ