2022.05.13
# マンガ

「息子に生理用品を買わせるなんて虐待だ」と言われ…それでも益若つばさが「性」について発信する理由

高校2年生の川上福(さち)は、同い年の幼なじみ・月島宝(たから)と交際している。家族同士の付き合いもある2人が初めて結ばれたのは15歳の夏だった。

ある日、「生理が来ない」「食欲がない」など体調に異変を感じた福は以前、宝との性行為中にコンドームが破れたことを思い出す。不安になった福は、知り合いに会わないよう遠く離れた町を訪れて妊娠検査薬を購入し、ファミレスのトイレへ。一呼吸おいて検査薬を見た福の目に飛び込んできたのは、妊娠していることを示す”陽性”の反応だった――。

どこにでもいる高校生の妊娠を描いた作品『あの子の子ども』。漫画家の蒼井まもる氏が少女漫画雑誌『別冊フレンド』にて連載中で、「このマンガがすごい!2022」オンナ編33位、「出版社コミック担当が選んだおすすめコミック2022」8位にランクインするなど話題沸騰中の意欲作だ。

『あの子の子ども』(著:蒼井まもる 講談社刊)

「押しつけがましくないところがいい。中学生の息子にも読んでほしいし、学校の授業に教科書として使われていてもおかしくないくらいの内容です」

そう話すのは、モデルの益若つばささん(36)。昨年、避妊リング(ミレーナ)を入れたことを自身のYouTubeやInstagramで公表して話題になった。性についてフランクに話せる場を作ろうという考えのもと、自らのSNS等で発信の機会をたびたび設けている益若さんに、本作品を通じて考えたことや日本の「性教育」に対して感じている問題点について、お話を伺った。

益若つばささん
 

子どもと大人の感覚の違いがリアル

――作品を読んで、どのような感想を抱かれましたか?

すごく面白かったです! 高校生の妊娠という難しいテーマを扱った物語と聞いていたので初めはお堅い内容なのかなと思っていましたが、読んでみるとエピソードの一つ一つが面白くて入り込みやすかったですし、子どもが読んでも分かる内容だと思いました。私たち大人が知らなかったような性についての知識も得ることができて、勉強になりました。

特に好きだなと思ったセリフは、恋人の宝が主人公の福に向けてかけた「俺は選択肢をたくさん用意する 一緒に悩む どんな選択をしても一生一緒に背負ってく」というもの。福も突然の妊娠という事実に頭が真っ白になっていて、そのままだと中絶という選択しか考えられなかったと思うけれど、宝が多くの選択肢を調べて示してくれたからこそ視野が広がって、「中絶しない」という選択肢も考えられるようになったのかなと。

私自身、中学生の息子がいる母親として、子どもには選択肢を多く示してあげたいなというのは常々思っていたことなので、とても心に響きました。

「あの子の子ども」より

――母親目線でも、共感する部分が多いということでしょうか。

とてもリアルな内容なので「たしかに」と思いながら読めますね。福の「わたしたちがどの選択をしても 最終的な決定権は親にあるってこと…?」というセリフも、未成年が主人公だからこその現実の厳しさを描いているなと思いました。

互いの親の考えも、それぞれ違って、でもそれぞれなるほどなと思わされます。ヒーローの宝のお母さんは中絶一択ですが、主人公の福のお母さんは「自分でよく考えて結論を出しなさい」というスタンス。同じ母親の私からすると、福のお母さんはとても寛容で理解があるなと感じたのですが、福は「見放された」と思ってショックを受けていました。その、大人と子どもの感覚の違いみたいなものもリアルで面白かったです。

「あの子の子ども」より

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