2022.03.26
# 数式

【不思議!キリのいい小数】きれいに並んでいるのに、なぜか欠けてる数字がある

数学のお兄さん『数式図鑑』読みどころ

横山明日希の〈数式図鑑〉

「数学のお兄さん」として活躍する横山明日希さん。「“体験”を通して算数・数学をもっと身近な学びに」という理念で、数学×恋愛、数学×お笑い等、数学と異分野を掛けあわせた独自の切り口の授業や講演、著書などで人気です。

そんな横山さんの新著『数式図鑑』は、ピタゴラスに始まりニュートンからオイラーまで、数学好きには外せない、さまざまな数式の美しさ、すごさ、不思議さをわかりやすく伝えるとっておきの数式集です。本書から、初めて知る数式や、よく知る数式の意外な一面など、読みどころを、ここにご紹介しましょう!

今回は、8や98以外の数がきれいに並んでしまう、不思議なキリのいい式についてです。

完全なる小数

1÷81=0.01234567901234

きれいに並ぶ! でもひとつだけ足りない…

1÷81。この式だけ眺めても、一見何のことかわからないと思いますが、以下のように実際に計算してみると、面白い結果となります。

1÷81=0.01234567901234…

小数点以下の数字が、0から順にきれいに並んでいることがわかりますね。ただ、よく見ると8は省かれてしまっています。

【写真】8はどこへ行った?photo by gettyimages

このように答えに数が0から順に並ぶような数式は、他にもあります。たとえば1÷9801。こちらを計算すると、

1÷9801=0.0001020304050607080910111213141516171819202122……95969799……

となります。先ほどとは異なり、8も省かれることなく、さらに10、11、12と2桁の先の数まで並んでいます。しかしこのままずっとすべての数が登場するのかと思いきや、残念ながらこの先で98が登場することはありません。非常に不思議な結果なのですが、この結果はちゃんと考えていくと、理由があります。

級数展開を使う

そこでまず1÷81のケースから、以下のような式を作って考えてみましょう。

1÷81=1/81=(1/9)²

=(0.1111111…)²

={1/10+(1/10)²+(1/10)³+…}²

最後の式は、1/10の級数展開として書いたものです。

ここで、1/10=Aと置くと上記の式は、

(A+A²+A³+…)×(A+A²+A³+…)

=A²+2A³+3A⁴+4A⁵+…

=0.01+0.002+0.0003+0.00004…

と変形することができます。数字が1から順に並んでいきますが、それに合わせて小数点以下の0が1つずつ増えていますね。

さてこの式、もう少し続けていくと、

0.01+0.002+0.0003+0.00004+0.000005+0.0000006+0.00000007+0.000000008+0.0000000009+0.00000000010+0.000000000011+0.0000000000012+…

となります。よく見てみるとこの式の中には8が出てきていますね。では、どうして消えてしまったのでしょう。

関連記事