親の具合が悪くなったら、一体どうすればいいか。そうなったら、認知症であろうがなかろうが、誰でも心配になる。認知症の母が突然庭で倒れているところを目の当たりにしたのが、にしおかすみこさんだ。

洗濯物を干しているところだった…Photo by iStock

認知症の母、ダウン症の姉、酔っぱらいの父と同居を始めたときから赤裸々に綴り、「壮絶」「他人事ではない」「大変なのに笑える」と多くの支持を集めているにしおかすみこさん連載「ポンコツ一家」。連載7回目は2021年1月、友人からの勧めで「地域包括支援センター」について検索し始めた頃の話をお伝えしている。前編では、脱水で庭で倒れてしまった母を前に慌てふためくにしおかさんが、母親の吐しゃ物を思わず両手で受け止めてしまったところまでお伝えした。ではその後にしおかさんはどうしたのだろうか。

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固まったまま…

固まったまま空を仰いだ。
冬にしては柔らかな日差し。風もない。薄い水色の空に
フワフワと酸っぱい湯気が静かに昇って行く。どこかで何の鳥だかが短くチュンと鳴いた。

「ばかあ、まるだし、ばかあ、フへへへくるしい、わらわせるな」と母。

笑わせていない。どちらかというと泣きたい。
年末に姉の粗相掃除でクソにまみれ、年明けて今ゲロにまみれる。なぜ粗相にサンドされなければならない。
散乱している洗濯物を洗濯バサミから引きちぎり拭こうとすると、
母が「ダメ、それ、お姉ちゃんのシャツ、拭くならパクソ」

……パクソ……ああ……パパクソの履き古して伸びきったパンツを取り
あちこちついたものを拭う。
洗濯物を選別出来て、パ、1つを端折る母の精神状態がわからない。

フフフ、フへへと母が笑うのを久しぶりに見た。

再び水とスポーツ飲料を交互に、ちびちびでも飲めるほうを飲ませた。